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はじめに

市販されている食品や飲料物は、その生産・保管過程において様々な物質と接触します。その食品接触材料が生産物の中に溶出し、消費者の健康に影響を与える可能性があります。その中でもフタル酸エステル類はポリ塩化ビニル等の可塑剤として使われており、内分泌攪乱作用、発達毒性、生殖毒性、組織障害等が危惧されています。 フタル酸エステル類は基本骨格が共通しており、電子イオン化(Electron Ionization; EI)法ではマススペクトルが類似するため、対象フタル酸エステルの同定が困難になる場合があります。従来、こうした場合には、メタンやイソブタン等の可燃性高圧ガスを使用した正化学イオン化(Positive Chemical Ionization; PCI)法により分子量を確認していました。一方、可燃性高圧ガスの使用が難しい場合、有機溶媒を用いた SMCI(Solvent Mediated Chemical Ionization)法により分子量を確認できます。 本稿では、SMCI 法を用いたフタル酸エステル類の分析結果を報告します。

2019.08.27

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