ダウンロード

はじめに

FPD(Flame Photometric Detector)はリンやイオウ・スズ化合物に対する選択的高感度検出器であり,他の検出器に比べてきわめて選択性が高く,比較的夾雑成分の多い試料でも目的成分を高感度で検出できるため,残留農薬や悪臭物質の分析といった環境分析に幅広く使用されています。具体的には,ゴルフ場で使用されたり農作物に残留する有機リン系農薬の分析,硫化水素・メルカプタン・硫化メチルといったイオウ系の悪臭物質の分析,そして魚介類に残留する有機スズ化合物の分析などに使用されています。 ここで紹介する特形FPD-17は,キャピラリGCによるリン・イオウ化合物の分析のために新しく開発されたFPDで,微量域において従来のFPDよりも2~5 倍の高感度で検出できるFPDです(最小検出量は,P:0.6~0.9pgP/s(トリブチルフォスフェート),S:8~11 pgP/s(ドデカンチオール)。この特形FPD-17の特長と,有機リン系農薬をPモードおよびSモードで分析した応用例を紹介します。

2004.12.06