燃料電池自動車などで注目される水素燃料の微量不純物分析

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はじめに

水素を燃料として電気を発生させる燃料電池の技術発展にともない,家庭用燃料電池システムや燃料電池自動車が普及し始めてきました。燃料電池は水素燃料に一酸化炭素などの不純物が含まれていると,電池内部の触媒が被毒し触媒性能が低下するため,高純度の水素燃料を必要とします。 2012年に発効された燃料電池自動車用水素燃料の国際規格ISO14687-2では,一酸化炭素の最大濃度を 0.2 ppm としているほか,酸素や二酸化炭素,炭化水素類についても最大濃度を規定しています。水素中の不純物分析には,従来,複数の検出器やカラムを組み合わせた複雑なシステムが必要であり,コストやメンテナンスの面で課題がありました。 バリア放電イオン化検出器(BID)は,ヘリウムとネオンを除くほとんどの化合物を TCDや FIDなどの汎用検出器と比較して高感度に検出することが可能な,新しい汎用検出器です。本アプリケーションニュースでは,BIDを搭載した高感度ガスクロマトグラフ Traceraを用いた,水素中一酸化炭素の高感度分析と水素中不純物の一斉分析例をご紹介します。

2015.03.17