OLS5500 - 特長
3D測定レーザー顕微鏡
比類なきイメージングソリューション
OLS5500は、微細な表面性状をこれまでにない鮮明さで捉えることができます。
レーザー顕微鏡、白色干渉計、フォーカスバリエーションを活用することで、欠陥の検出、設計の確認、そして確信を持った意思決定を支援します。
シームレスなイメージングソリューション
nmからmm、平滑面から凹凸のある面まで、あらゆるサンプルを正確に測定可能です。
3つの表面測定技術を用いて撮影されたRFパッケージ
見えなかったものを可視化する
微細な構造やわずかな凹凸、透明素材や低コントラストのサンプルなど、従来の装置では捉えきれなかった表面の情報を鮮明に可視化します。4Kスキャンテクノロジー、最表面検出フィルター、レーザーDIC、デュアルコンフォーカルシステム、高感度のイメージセンサーなどの先進技術により、難しいサンプルでも高い鮮明度とコントラスト、そして忠実な色再現を実現します。
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ポリマーフィルムの比較画像
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ハードディスクのランディングゾーンの比較画像
広い領域も、つなぎ目なく鮮明に
インテリジェントシェーディング補正機能により、コントラストが低いサンプルや明るさにムラがある場合でも、貼り合わせ撮影時の画像の継ぎ目が目立たないよう自動で補正します。広範囲の観察においても細部まで高精度に可視化することで、正確な検査を可能にします。
ウエハサンプル上のパターンの貼り合わせ比較画像
あらゆる表面を細部まで鮮明に
平面から複雑な凹凸、急な傾斜や微細な質感まで、OLS5500は真の表面形状を高精度に可視化します。専用設計・開発したレーザー顕微鏡専用対物レンズと、高NAの白色干渉対物レンズを搭載することで、さまざまな形状のサンプルを忠実にイメージングし、観察・測定の信頼性を高めます。
レーザー顕微鏡
専用対物レンズは、一般的な対物レンズでは正確な測定が難しい周辺部まで、視野の全領域を正しく捉えます。
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一般のレンズは収差の影響で周辺部が正確に測定できない

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専用レンズは周辺部も正確に測定できる

白色干渉計
一般的な白色干渉対物レンズ20X(左、NA 0.4)とOLS5500の白色干渉対物レンズ20X(右、NA 0.6)で撮影したフレネルレンズの比較画像
一般的な白色干渉対物レンズ50X(左、NA 0.55)とOLS5500の白色干渉対物レンズ50X(右、NA 0.8)で撮影したフレネルレンズの比較画像
一般的な白色干渉対物レンズ50X(左、NA 0.55)とOLS5500の白色干渉対物レンズ50X(右、NA 0.8)によるキャリブレーションサンプルの比較画像
揺るぎない測定品質
レーザー顕微鏡、白色干渉計、フォーカスバリエーションによる高精度かつ検証可能な測定が、信頼できるデータを提供。
確かな測定結果が、品質管理の確実性を高め、工程の効率化につながります。
“正確さ”・“繰り返し性”のダブル保証
OLS5500は、レーザー顕微鏡と白色干渉計の両方で、「正確さ」と「繰り返し性」*1 を保証する世界初の白色干渉計搭載3D測定レーザー顕微鏡です。
専門技術者が設置環境での校正を行い、校正証明書を発行します。

測定ノイズの保証
OLS5500は、ISO 25178-700:2022に準拠した測定ノイズレベルを保証し、ナノレベルの高さも、確かな測定を提供します。 MPLAPON 100X LEXT ™対物レンズでは1 nm、白色干渉対物レンズでは0.08 nmという極めて低いノイズレベルを達成*2し、 微細な凹凸や形状変化も高精度に捉えます。
ISO/IEC 17025認定校正
2023年4月、 エビデント 顕微鏡校正ラボラトリは世界で初めて*3レーザー顕微鏡の現地校正でISO/IEC 17025:2017認定を JAB(日本適合性認定協会)から受けました。これによりILAC MRAシンボルマーク付き校正証明書を発行し、計量トレーサビリティを確保することが可能となりました。 認定取得以前から実施している当社独自基準による現地校正も可能です。
貼り合わせデータの正確さを保証
OLS5500は、電動ステージに測長モジュールを搭載することで、貼り合わせ撮影時の位置情報を正確に取得します。一般的なレーザー顕微鏡や白色干渉計では、パターンマッチングのみを用いて画像を貼り合わせていましたが、OLS5500では位置情報を併用することで、両方式において貼り合わせデータの正確さを保証します*4 。
測長モジュール
*1 「正確さ」および「繰り返し性」の保証は、装置がメーカー仕様に基づいて適切に校正され、かつ欠陥のない状態である場合に限り有効です。校正は、(株)エビデントの技術者または(株)エビデント認定の技術者によって実施される必要があります。
*2 出荷検査時の検査成績書を同梱致します。(株)エビデント指定条件により測定した場合の代表値であり、保証値とは異なります。
*3 2023年4月時点、(株)エビデント調べによる。
*4 貼り合わせデータの正確さの保証は、100 mm電動ステージにのみ適用されます。(OLS5500-SAT:レーザー顕微鏡・白色干渉計、OLS5500-EAT:レーザー顕微鏡のみ)
誰でもすぐにスマートに測定
レーザー顕微鏡、白色干渉計、フォーカスバリエーションによる一貫した高精度測定により、繰り返し測定の手間を減らし、検査工程のスピードと信頼性を向上。OLS5500は、検査業務の効率化とスループット向上を力強く支援します。
すべてのユーザーに、直感的な操作性を
使いやすいソフトウェアとスマートな自動化機能により、専門知識がなくても、誰でもスピーディかつ安定した測定結果を得ることができます。繰り返し行う多数の測定にも対応し、作業効率を大きく向上させます。
シームレスな観察
ステージの移動に合わせてマクロマップを自動生成し、高倍率でも正確な位置管理を実現。さらに、コンティニュアスAF機能により、手動でフォーカス調整する手間なく常にピントの合った確実な観察が可能です。
傾き調整も、簡単・正確に
傾斜調整アシスト機能により、白色干渉計測定時に必要なステージの傾き補正も、誰でも正確に調整できます。ソフトウェア上の「開始」ボタンをクリックするだけで、サンプル表面を水平にするために必要な調整量を表示します。このガイダンスに従ってステージを操作するだけで正確な調整が完了します。
傾き調整アシスト
ボタンひとつで信頼性の高いデータ取得
サンプルをステージに置いてスタートボタンを押すだけで、Smart Scan IIが光検出感度や取得範囲を自動で設定してくれるため、誰でも高精度な測定が可能です。3Dデータ構築にはPEAKアルゴリズムを採用。低倍率から高倍率まで高精度なデータが取得できるだけでなく、データ取得時間の大幅な短縮も実現しています。 垂直に近い面を含む段差形状の測定では、不要なZ方向のスキャンをスキップすることで、精度を損なうことなく測定時間を短縮できます。
VLSI標準高さ83 nmサンプル(MPLFLN10LEXT)
信頼できるデータだけを自動で抽出
スマートジャッジは信頼性の高いデータのみを自動検出します。これにより、細かな凹凸を失うことなく、正確な測定が可能です。

測定者によるばらつきのない一貫した測定レポート
マクロ機能で検査手順を自動化。作成・編集・実行が可能で、安定した結果を得られます。実験トータルアシストと組み合わせれば、合否判定もワンクリックで完了。
レポートはテンプレートとして保存できるため、繰り返し測定を効率化。解析手順や測定者間でのばらつきを防ぎ、業務の標準化を支援します。
3D測定の可能性を、さらに広げる
PRECiV ™ソフトウェアとの連携により、金属組織観察からAIを活用したワークフロー、高度な2D解析まで対応。専門的なアプリケーションや高スループットが求められる生産現場でも、柔軟かつ高効率な運用をサポートします。

最大40倍のスループットを実現
白色干渉計では、従来のレーザー顕微鏡に比べて最大40倍のスループットを実現。
従来のレーザー顕微鏡では高倍率の対物レンズでしか捉えられなかったナノメートルの高さ形状も、白色干渉計では対物レンズの倍率に依存することなく、広い視野で効率的に取得することが可能です。

サンプル:60 nm段差、測定領域:1,280 μm
レーザー顕微鏡:データ取得時間:630秒;レーザー顕微鏡50X対物レンズ(NA 0.95)で取得した6×6貼り合わせ画像
白色干渉計:データ取得時間:15秒;白色干渉計10X対物レンズ(NA 0.3)による単一画像取得
専用の白色干渉対物レンズは、高開口数(NA)と広い視野を両立し、効率性を高めながら、より速く結果を導き出します。
20倍および50倍の白色干渉対物レンズは、従来の一般的な50倍・100倍レンズと同等の表面傾斜検出性能と平面方向の分解能を維持しながら、それぞれ最大6倍・4倍の視野を提供します。
その結果、画像を貼り合わせる必要がないため、スループットが最大化できます。
左:従来の白色干渉対物レンズ50X(NA 0.55)で取得した2×2貼り合わせ画像
右:エビデントの白色干渉 対物レンズ20X(NA 0.6)で取得した単一画像
高さ測定の原理
レーザー共焦点
レーザー共焦点光学系は、サンプルからの反射光、散乱光のうち、ピントの合った光だけが円形ピンホールを通して受光します。そのためピントの合っていない光が除去され通常の光学顕微鏡よりコントラストの高い画像が得られます。
高さ測定を行う場合は段階的にピント位置を変えた複数の共焦点画像を取得します。
離散的なピント位置(Z)と光検出強度(I)の関係から、画素ごとに光強度変化曲線(I-Zカーブ)を推定し、ピーク位置とピーク強度を求めます。全画素のピーク位置を画像化したデータは、サンプルの凹凸形状と対応するため、これがサンプル表面の3D形状情報となります。同様に、ピーク強度を画像化したデータは、サンプル表面のすべての位置にピントの合った合成画像(エクステンド画像)となります。

白色干渉法
光源からの光は、干渉対物レンズ内のビームスプリッターによって二方向に分岐され、試料面と参照面で反射します。光源にはコヒーレント長(可干渉距離)の短い白色LEDを用いており、試料面からの反射光(試料光)と参照面からの反射光(参照光)の光路長が一致する付近、つまり試料面においてフォーカスが合った付近でのみ、干渉縞が発生します。
白色干渉法では 試料面に対して垂直方向(Z 方向)にスキャンをしながら、各点における干渉縞のピーク位置を取得することで、サンプル表面の3D形状を構築します。

