UV-2600i/2700i - アプリケーション
紫外可視分光光度計
分野別アプリケーション情報
電気・電子・光学(半導体のバンドギャップ測定)
積分球ISR-2600Plusを使用して、太陽電池用材料として使用される2種類の化合物半導体(赤線:CuIn0.5Ga0.5Se2、青線:CuInSe2)の拡散反射スペクトルを測定しました。
試料によって吸収端(反射率の低下している位置)が異なることがわかります。この違いが試料におけるバンドギャップ※の違いを表しています。
本試料は龍谷大学理工学部 和田研究室よりご提供いただきました。
本試料のバンドギャップをTauc法を用いて計算した結果、Culn0.5Ga0.5Se(2 赤線)とCuInSe(2 青線)のバンドギャップはそれぞれ1.27 eV、0.99 eVと求まりました。
※バンドギャップとは電子の充満した価電子帯の最上部と電子の存在しない伝導帯の最下部との間のエネルギー差を指します。
建築(窓ガラスの透過率測定)
積分球ISR-2600Plusを用いて2種類の窓ガラスを測定しました。赤線の試料は800 nm以上の近赤外光を十分に透していますが、青線の試料は近赤外光をあまり透さないことがわかります。
化学(フィルムの膜厚測定)
膜に光を通すと波打った干渉波形が生じる場合があります。干渉波形を利用することで試料の膜厚を求めることができます。
黒線はポリ塩化ビニリデンフィルム、赤線はナイロンフィルム、青線はポリプロピレンフィルムの透過率データです。
干渉波形からオプションの膜厚計算ソフトウェアを用いて計算すると、それぞれ10.0 μm、17.0 μm、21.4 μmと算出されました。
注)膜厚計算には試料の屈折率を入力する必要があります。
繊維(セルロースナノファイバーCNFの評価)
積分球ISR-2600Plusを用いて、CNF(セルロースナノファイバー)の全光線透過率を測定しました。原材料により、スペクトルが異なり透明度が異なることや紫外領域での傾向が異なることがわかります。
原材料は、黒線がセルロース、赤線がカルボキシメチルセルロース、青線が粉末キチン、緑線がグルコース/フラクトースです。
ライフサイエンス(DNA、タンパク質の測定)
赤線がdsDNA、青線がBSA(牛血清アルブミン)の吸収スペクトルです。
dsDNAの濃度は45 ng/μL、BSAの濃度は2.2 mg/mLとなります。
食品(ビタミンの定量)
リボフラビン(ビタミンB2)の吸収スペクトルを示します。
試料の濃度は吸光度の高い方から順に0.08、0.04、0.02、0.01 mg/mLです。