BioSpec-nano (バイオスペック ナノ ) - 特長
ライフサイエンス分光光度計
セルを使わずに微量サンプルを迅速測定
1μL(光路長0.2mm)から2μL(光路長0.7mm)の微量サンプルで測定が可能です注1)。サンプルは,ピペッタを使って測定部へドロップ( drop ; 滴下) します。
注1)表面張力の弱い試料では、1~2μLの試料量で液滴が形成されない場合があります。
高い再現性と測定精度
BioSpec-nanoは,優れたデータ正確さを実現しており, 当社 上位機種であるダブルビーム分光光度計の測定データとも高い相関を示します。 また繰り返し測定においても,高い精度を実現しています。
以下は,同一サンプル(2本鎖DNA)について濃度を変えて10回ずつ測定した結果です。 また同一サンプルを弊社上位機種 ダブルビーム分光光度計UV-2450を用いて比較測定をしました。
結果は光路長が0.2mmおよび0.7mmの両方とも,相関係数は0.99を超え,BioSpec-nanoとダブルビーム分光光度計での測定値との相関は非常に高いといえます。
さらに10回繰り返し測定のCV値は,比較的高濃度のサンプル(OD値40,濃度:2000ng/μL)において0.84%(光路長0.2mmにて測定),また低濃度のサンプル(OD値1.5,濃度:75ng/μL)においても1.4%(光路長0.7mmにて測定)と,非常に高精度であることがわかります。
光路長 0.2mm
光路長 0.7mm
簡便操作
試料を滴下して“Start”ボタンを押すだけ
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試料を測定部に滴下し,本体またはソフトウェア画面の測定ボタンをクリックするだけで分析結果を得ることができます。 手袋を装着していて,PCのマウスやキーボードを操作しづらい時も,本体のStartボタンで測定を開始することができます。
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マイクロピペットを手にもったまま,次々とサンプル測定できます
自動光路長設定 & 自動ワイピング
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光路長の設定→測定→サンプルの拭き取りまですべて自動です。光路長設定のためのアームの上げ下げや,測定後のサンプルをクロスで拭き取る,などの面倒な手作業は不要です。「ちゃんとに拭けているのか?」「ワイプで拭くと測定部に傷が付きそう」というような心配もありません。
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光路長設定/測定/拭き取りまで自動です
自動ワイピング機能は,低キャリーオーバーを実現。測定試料拭き取り後の,次の測定への持越し(キャリーオーバ)を,極力低減しています。
以下は,2本鎖DNAサンプルとブランク(TEバッファ)を交互に60回ずつ測定した結果です。
この間ワイパは交換せずに,測定されたDNAサンプルが次のブランク測定にどのくらい持越し(キャリーオーバ)がみられるかを測定しています。
結果はサンプルのキャリーオーバ注2)は平均0.13%と非常に低いものとなっています。
注2)キャリーオーバ(%) = (TEバッファを測定したときに算出されたDNA濃度/直前に測定したDNA濃度) x100
簡単操作を支える日本語のシンプルなソフトウェア
基本操作は,ツールバーのアイコンをクリックするだけです。簡易核酸定量,ラベル化核酸定量の分析モードが選択できます。分析結果は,PDF,CSV形式での出力もできますので,データ管理の効率化も図れます。
各種サンプルに適用可能
従来の核酸の定量機能に加え,タンパク質の定量,任意に指定した波長のOD値の表示機能も追加しました。1台で多用な用途に使用できます。
核酸定量
RNA、dsDNA、ssDNA、OligoDNAの定量に使用します。
核酸濃度,OD比(OD260/280、OD260/230)を計算します。
ラベル化核酸定量
Cy3などによりラベル化された核酸(RNA、dsDNA、ssDNA、OligoDNAの定量に使用します。
核酸濃度、ラベル濃度、ヌクレオチド濃度、ラベル化率を計算します。
タンパク質定量
280nmの吸光度からタンパク質の濃度を求めます。
また,核酸同様ラベル化されたタンパク質についてはラベル濃度とラベル化率を求めることが可能です。
指定波長のOD値表示
最大8波長まで、任意に指定した波長のOD値を表示することが可能です。