IRXross - 特長
フーリエ変換赤外分光光度計
様々なニーズを満たす 卓越した性能
IRXrossはミドルクラスFTIRでありながら、ハイエンドクラス並のS/Nを実現。1分積算でP-P値 55,000:1以上のクラス最高レベルの低ノイズを可能にしました。
驚異的な低ノイズ
試料室上にサンプルの無い状態でBKG・サンプルを連続で測定し、100%Tラインを取得しました。水蒸気のピーク、二酸化炭素のピークを除くと、ノイズ量(P-P値)でわずか±0.005%Tで、ノイズの少ないデータが取得可能です。
S/N 55,000:1が叶える超高感度測定
IRXrossと1回反射ATR測定装置を用いて、紙面上のオイルシミを分析。そのまま分析しても良好なピークは得られないため、シミ部分をn-ヘキサン溶媒で抽出し、抽出液をATRプリズム上に滴下して分析しました。吸光度0.00023という非常に微弱な信号も感度よくキャッチすることが可能です。
分解0.25 cm-1が叶える高分解測定
温室効果ガスとして環境問題となるN2Oガス(500 ppm)を分析。分解能1.0 cm-1では二股にしか見えない2,230 cm-1付近のピークが、高分解で測定することにより正確に分離されていることがわかります。
より速い反応の追跡を可能にする高速測定
紫外線硬化樹脂の硬化反応を追跡。紫外線照射後5.0秒から1,635 cm-1に位置するピーク強度が減少し始め、5.5秒で反応が終了していることがわかります。
簡単操作と解析を実現する 独自機能
IR Pilotによるeasy naviで誰でも簡単スタート
総数23個のアプリケーションをマクロ化し標準搭載。FTIRによる分析に不慣れな方でも分析目的と付属品を選択するだけで、簡単に分析ができます。パラメータの設定は必要ありません。複数検体の場合はワンクリックで使用可能です。
確認試験に特化したサポートプログラム
薬局方や食品添加物公定書の「赤外スペクトル吸収法」など、各国の薬局方や公定法に記載されている確認方法に基づき、 検定試料の良否を判定するプログラムです。医薬品・食品の確認試験だけでなく、受け入れ検査や出荷前検査などに活用できます。標準品と検定試料のピーク波数の誤差、ピーク間の強度比の誤差を計算し、合否判定を行うことが可能。結果はレポートで印刷されます。
異物分析に特化したサポートプログラム
異物として多く検出される物質のスペクトル(550以上)を収録した異物ライブラリと島津独自のアルゴリズム(特許第5205918号)を組み合わせて、測定された異物を高い精度で同定します。解析後、自動的に判定し、レポートが作成されます。異物が混合物の場合でも、主成分・副成分を検索し、判別した物質の確度も表示します。混合物の成分数を指定する必要がなく、赤外分析の習熟度が低い方でも簡単に分析ができます。スペクトルを選んでから解析結果が表示されるまで、わずか数秒です。
確認試験・異物分析に有効なライブラリ
総数約12,000のスペクトルライブラリ
島津独自のライブラリから、一般試薬や高分子まで、豊富なライブラリを標準搭載。新たにライブラリを購入しなくても、標準のシステムで、充分な定性分析ができます。
島津食品添加物ライブラリ (食品添加物公定法掲載物質) |
一般試薬 | 医薬品・農薬 |
---|---|---|
島津異物解析プログラム用 ライブラリ |
ポリマー | 無機物 |
安心の規制対応
薬局方の測定波数範囲に対応した耐湿性窓板を選択可能
窓板はKBr窓かKRS-5窓を選択いただけます。KRS-5窓は90%RH(ただし、温度30℃まで)の耐湿性を維持しつつ、薬局方に対応可能(波数範囲:350~7,800 cm-1)です。
KBr窓 | KRS-5窓 | |
---|---|---|
耐湿性 | 耐湿コート付き設置環境上限:~70%RH (結露なきこと) |
設置環境上限:~90%RH (ただし温度30℃まで結露なきこと) |
波数範囲 | 350~7,800 cm-1 | |
透過率 | 90%T程度 | 70%T程度 |
特徴 | 透過率が高く、高感度高湿環境では潮解する可能性がある | KBr窓と比較して、耐湿性が高く、透過率は低いため、S/Nは下がる |
除湿器搭載(オプション)による高い耐久性
固体高分子電解質膜を利用し、干渉計内の水分を電気分解して除去するタイプの除湿器を採用。常時光源をつけておかなくても、干渉計内を低湿度に保ちます。常時光源をつけておいた場合に比べて、除湿器を使用することで消費電力を約90%抑えられます。
安心の データインテグリティ対応
堅牢なセキュリティ
データの信頼性を担保するためのオーディットトレイルの設定やシステムで発生したイベントをメール送信する機能が設定できます。ユーザーアカウントに対して、パスワード長やパスワードの有効日数、複雑さの設定、不正アクセスのためのロックアウト機能の設定、登録ユーザーの削除や変更に対する設定を行うことができ、高いセキュリティでシステムを運用できます。データファイル等の上書き保存に対する設定やレポートに出力する項目に関する設定も行えます。
プロジェクトごとに関連情報を管理
業務やシステムの運用に合わせて管理できるプロジェクト管理機能があります。この機能は、プロジェクト単位に装置管理、ユーザー管理、セキュリティポリシーとデータ処理の設定を行うことができ、データ検索や業務の管理作業をスムーズに行うことができます。
一連の分析操作を「見える化」
一連の分析の分析情報と分析結果・条件、さらに分析作業の開始から終了までのすべての操作ログをひとつのPDFファイルとしてまとめることで、一連の分析操作の「見える化」が可能です。これにより、分析結果や分析操作の確認が容易になり、確認作業の効率化と信頼性の確保を実現します。