オートグラフ AGX-V2 シリーズ - 特長
精密万能試験機
01 先進機能の集合体
あらゆる制御を実現する革新の制御テクノロジー
超高速 超高応答
データサンプリング クロスヘッド制御
10kHz × 1kHz
マルチプロセッサー,マルチエンジン搭載で,超高速データー採取と高応答制御を実現
独自開発のコントロールボックスには,2台のプロセッサーと3台のエンジンユニットを搭載。材料試験コントロールの基礎となる,通信・測定・制御の各機能を複数のデバイスに分散させ,緻密なタイミング設計による高度な同時並列実行により,10 kHz高速データーサンプリングと1 kHz高応答クロスヘッド制御を実現しました。
新しいオートチューニングで
ひずみ速度制御もお任せ

従来のオートチューニングでは難しかったノイズ・外乱の多い環境下においても高精度な制御を保ちます。
この高度なオートチューニングは「制御モデル」のリアルタイム更新を,フィードバック対象の測定値のみならず,すべての測定値を計算に用いることで成し遂げました。
[鉄鋼・非鉄金属試験]
伸び計で測定する変形の割合を一定に制御するひずみ速度制御では,材料の急激な挙動変化に追従する高精度な制御が必要となります。
金属引張試験規格:ISO6892:2016 (JIS Z 2241:2011) では,降伏点までのひずみ増加速度の許容範囲が±20%以内と規定されています。AGX-V2では多くの材料において ISO6892:2016 (JIS Z 2241:2011) に規定のひずみ速度制御が実施可能※1です。
[実物シミュレーション試験]
エンジンマウントなど,ゴム系材料を一定の試験力で保持をするには,試験体の特性に応じて保持位置を刻々と変化させる必要があります。試験力を一定にコントロールするには,高い制御応答性と,過剰応答による振動を発生させることのない高い制御安定性が求められます。※2
[空走圧縮試験]
圧縮圧子や曲げポンチを空走させてから試験片に接触させ,一定の試験力まで負荷を加える空走圧縮試験においても,安定した制御を実現しています。
高剛性材料の空走圧縮試験でも目標値へのオーバーシュートは指示値の1%以下であり,高精度な試験力ホールドを実施します。※2
※1 グラフは一例です。制御精度は材料特性や周囲の環境によって変化することがあります。精度を保証するものではありません。
※2 グラフは一例です。材料特性や周囲の環境によって制御の状態は変化することがあります。
より広範囲に,詳細に,多彩に。
超高速データーサンプリング
10kHz

瞬時の変化を見逃さない
超高速サンプリング機能が,サンプリングレート10 kHz(0.1 ms)に進化しました。今まではとりきれなかった脆性材料破断時の急激かつ微小な変化をとらえることができます。
試験力保証範囲
1/2000
ロードセル交換頻度を低減
試験力精度保証範囲を1/2000にまで拡大し,データー信頼区間がさらに広がりました。試験力立ち上がり部分も安心して解析できます。これまで試験力に合わせて複数のロードセルを交換していた試験が1つのロードセルで対応できるようになり,交換作業と校正費用の削減が可能です。
最大センサー入力数
20ch

データーすべてを高精度に同期取得
データーロガーが不要に
外部入力ポートは,最大20 chまで増設可能。アナログ入力ユニットやカウンターユニットを標準オプションから選択でき,より多くのデーターをデーターロガーなしで簡単に収集できます。
ロードセル,伸び計,外部入力ポートを同期させ,全チャンネルを同時にデーターサンプリングを行うことにより,データーの同時性を向上させました。弾性率のように2つ以上の測定値を使って算出されるデーターの正確性と信頼性がさらに向上します。
試験機本体
ロードフレーム

高剛性・高アライメントを
実現するフレーム設計
ガイドコラム※1を新設計。テーブル面との直角度を維持するサポートリング※1を搭載することで,フレーム剛性やアライメントの影響を受けやすい,高剛性材料や高脆性材料での測定再現性が向上し,安定した試験が可能になりました。
音声操作装置
XV-TalkTM

音声による新たな操作性
オペレーターの声にAGX-V2 が応えます。オペレーターが話すキーフレーズに反応して,AGX-V2 が動作します。「試験開始」,「リターン」などの頻度の多いボタン操作からオペレーターを開放します。※2
※1 対象モデルは20kN~300kNの床置きモデルのみです。
※2 音声操作は騒音55 dB(A)以下でご使用ください。周囲騒音が大きい場合,音声操作ができないことがあります。
※3 音声操作については飛散防止カバーが無い場合,制限される機能があります。
02 操作者と装置に,真の安全性を
飛散防止カバー

飛散した破片をブロック
高い透明度と耐衝撃性を有するポリカーボネート製の飛散防止カバーを試験空間の前面と背面に標準装備。試験片破断時の飛散を抑えます。
インターロック機能付きで,飛散防止カバーを閉じないと試験運転やリターン運転ができず,事故リスクを低減させます。
※オプション部品により,ジョグ運転も含めた全動作を禁止にすることもできます。
インテリジェントクロスヘッド

治具の衝突を未然に防ぐ
インテリジェントクロスヘッドは,常に現在位置を認識しています。誤操作により治具どうしが近づきすぎたときは,衝突に対する警告を発し,クロスヘッドを自動的に停止させます。
接触を検知し,瞬時に緊急停止
試験治具の位置調整や試験片取り付け時など,飛散防止カバーを開けた状態でクロスヘッドを動作させるときも,状況監視を怠りません。治具や手指の接触などによる試験力変化をとらえたとき,クロスヘッドを緊急停止します。
オーバーロード検出機能
ロードセル容量を超えた試験力を検知すると,クロスヘッドが自動停止します。ジョグ運転時や試験運転時の過負荷からロードセル破損のリスクを低減します。(破損の可能性を完全に排除するものではありません)
ストロークリミットスイッチ

つまむ・位置を決める・はなす
クロスヘッドの動作範囲を制限するストロークリミットスイッチは,クロスヘッドや治具の衝突を未然に防ぎます。スイッチ内のバネ機構により,手を離した位置で確実に固定されるため,締め忘れなど,作業ミスによる設定不良を防ぎます。
セルフチェック機能

装置による自己診断機能
センサーアンプの校正情報,試験機の運転状態,電源電圧,通信状態などを常時監視。異常時には即座に通知します。また,装置の使用時間や使用回数を確認し,規定値に到達するとお知らせする機能を搭載しています。メンテナンス時期の把握に役立ち,ダウンタイムの低減に貢献します。
(ロードセルや伸び計など経年変化による測定値のずれを検出するものではありません。フィールドエンジニアによる定期的な保守,点検をお勧めします。)
03 結果へと最短距離で導く操作性
あらゆる治具の接続が簡単に
ロードセルに治具を接続するマルチジョイントは,引張治具・圧縮治具・曲げ治具など,あらゆる治具の接続が簡単にできます。重いジョイントの交換は必要なくなり,試験治具の交換が容易になりました。小容量ロードセルを先端に接続することもでき,大容量ロードセルを取り付けたまま小容量ロードセルでの試験が可能となります。
選べる2つのコントローラー
ソフトウェアと共通化したユーザーインターフェースを採用し,高い操作性と視認性によりあらゆる試験をサポートします。
環境に合わせて選べる操作音
オートグラフ専用の操作音をデザイン。「操作を快適にする心地よいサウンド」と「騒音下でも聞き取りやすいサウンド」を選択いただけます。(消音もできます。)
音声で操作をサポート
クロスヘッド動作前に音声案内が流れ,オペレーターの誤操作を未然に防ぎます。(消音もできます。)

オペレーションコントローラー
大型カラー液晶タッチパネルを搭載し,測定値だけでなくグラフもリアルタイムに表示。試験開始,ストップ,リターン,非常停止をダイレクトに操作できるボタンが付いており,迷わず,素早く操作できます。
スタンドアローン試験機能
PCを使わず,オペレーションコントローラーのみで試験できます。
- タッチパネルにより,引張り,圧縮,曲げの試験条件をダイレクトに設定できます。
- 測定結果は、USBメモリーに保存されます。
(USBメモリーは、別途ご準備ください。)
画面キャプチャー
グラフを表示したタッチパネル画面を画像ファイルとして保存します。
リアルタイムデータサンプリング
ストローク,試験力(応力)および装備されているセンサー1chのリアルタイムデータを保存します。
(データサンプリング100 Hz,最大30分間まで。)

スマートコントローラー
カラー液晶タッチパネルを搭載し,シーンに合わせて最適なボタンや情報が表示されます。試験前の治具間距離調整や,試験中の測定値の確認など,多彩な操作と情報表示が実現できます。
装置のそばで,手持ち操作
試験機本体から取り外し,治具や試験片,PCのそばで試験機を操作できます。治具間距離の微調整やPCソフトウェアとの連携に最適です。