AXIMA微生物同定システム - 特長
MALDI Microorganism Identification System
サンプル調製から同定までわずか3ステップ
・サンプルの準備
微生物試料のコロニー(または培養液)を用意します。
グラム染色や形態学的判定などをあらかじめ行っておく必要はありません。 微生物の分析・同定に関する予備知識は不要です。 必要な試料量は数マイクログラム程度で,菌数にしておおよそ105個程度もあれば分析可能です。コロニー1個程度の試料があれば分析可能なため,寒天倍地上に複数の微生物由来のコロニーが存在していても分析には支障ありません。
・ステップ1
ピックアップした微生物試料とマトリックス試薬を専用MALDIプレート上に添加します。
ピックアップした微生物試料とマトリックス試薬を専用MALDIプレート上に添加します。
基本的な試料調製法では,微生物試料とマトリックス試薬をMALDIプレート上で混ぜるだけなので非常にシンプルです*1。
専用MALDIプレートはディスポーザブルのため簡単に取り扱えます。廃棄物の量もごくわずかです。目的に応じて,あらかじめ最適化された複数のマトリックス試薬やサンプル調製法を選択することが可能です。
・ステップ2
MALDI-TOFMS測定を行います。短時間の測定で微生物種に特徴的なマススペクトルが得られます。
測定はあらかじめ用意されたメソッドに従って自動的に実行されます。質量分析の経験は特には必要としません。マススペクトルを都度確認する作業も不要です。
・ステップ3
取得したマススペクトルを,解析ソフトに登録されているスペクトルデータベースと照合することで,微生物の分類・同定を行います。
マススペクトルとデータベースの照合から同定結果の表示まで,一連の流れは自動的に行われます。条件設定は必要ありません。
信頼性の高いデータベースが微生物同定作業を強力にサポート
他の追随を許さない充実した微生物データベース
バリデーション済みスペクトルデータベース
SuperSpectraTM マススペクトル登録数*2:2,000以上
SuperSpectraTMは,頻繁に検出される微生物種種について複数の測定条件・施設から得られた各微生物種の最低15個のマススペクトルから,複数の条件下で安定して検出されるマーカーとなり得るピーク群を抽出することにより構築されています。これにより,ほとんどの条件下で信頼できる同定結果を得ることが可能になりました。
MALDI-TOFMSによる微生物同定においては,マススペクトルの再現性がこれまで問題となっていましたが,SuperSpectraTMがこの問題を解決し,微生物同定の際に問題となる誤同定を大幅に低減することにも成功しています。
SuperSpectraTMを含めてデータベースには約40,000のマススペクトルが登録されており,検出頻度の少ない微生物種種にも対応できるデータベースの提供を可能としています。
様々な分野への対応を可能とする,データベースのカスタマイズ機能
新規微生物をデータベースに登録することが簡単にできます。複数のマススペクトルからマーカーとなり得るピーク群を抽出する操作は直感的に分かりやすく,ユーザーによる質の高いデータベースの構築を可能にしました。
*1 感染性のある試料,または感染性が不明な試料を取り扱われる際は,必ず不活化処理を行ってください。
*2 スペクトルデータベース最適化のため,マススペクトルの登録総数が変わることがあります