Nexera UC - 特長
超臨界流体抽出/超臨界流体クロマトグラフシステム
究極の高分離
究極の高速・高分離化
高い拡散係数を持ち低粘性の超臨界流体CO2を移動相に用いることによりHPLCに比べて流速が速い条件でも分離を損わず,分析時間を短縮できます。また,異性体の分離など高い分離選択性を示すことが多く,これまで分離が難しかった成分への適応が期待できます。
さまざまな化合物の網羅的な分析に最適
SFCはバラエティに富んだ分離パターンを得ることが可能で,これまでのHPLCでは実現できなかったさまざまな性質を持つ化合物の網羅的な分析が期待されています。一般的に,脂肪酸の分析にはGC,グリセリドの分析にはHPLCというように,異なる分離手法が用いられます。超臨界流体CO2がヘキサンと同程度の極性を有することから,SFCは低極性化合物の分析に適しており,脂肪酸からグリセリドまで一斉分析が可能です。
HPLCとSFCの分離モードの違いによる感度比較
SFC/MS/MSでは,MS導入時に超臨界流体CO2が気化され,サンプルの濃縮が起こります。このため,LC/MS/MSと比較して約6倍の感度で検出できます。
異性体分離分析のメソッド開発を強力に支援:多様な条件での分析を自動で実行
SFCの高速性は光学異性体の分離はもとより,多くの化合物の一斉分析条件の時間短縮に適していますが,分析条件はトライ&エラーで検討する必要があり,多大な労力と時間が必要でした。Nexera UC キラルスクリーニングシステムは最大12本のカラムと,4種類のモディファイアーとそのブレンディング比率を切換えながら多数の分離条件を自動で設定し,分析することができるため,大幅な省力化を可能にします。UHPLC/SFC切換システムを用いる場合はUHPLC,SFCそれぞれでのスクリーニングに加え,UHPLCとSFCのスクリーニングをひとつのバッチで実行することも可能です。また,メソッドスカウティング用オプションソフトウェアMethod Scouting Solutionを使用することで,複数の条件を簡単に設定できます。
Nexera UC キラルスクリーニングシステムを用いたキラル分析
株式会社ダイセルのキラル分析用カラムであるCHIRALPAK®シリーズ,CHIRALCEL®シリーズは相補的な固定相ラインアップで幅広い種類の化合物を光学分割できます。Nexera UC キラルスクリーニングシステムと組み合わせることで,最適なキラル分析の条件検討が容易になります。
1システムでUHPLCとSFCを両立
UHPLC/SFC切換システム:Nexera UC/s
超高速液体クロマトグラフィー(UHPLC)と超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)を統合させたUHPLC/SFC切換システム:Nexera UC/sは,1システムでUHPLC分析とSFC分析を両立することが可能です。超臨界流体CO2を移動相に用いるSFCは,UHPLCとは異なる分離挙動を示すため,メソッド開発時にUHPLCとSFCの2種類の分離手法を用いてスクリーニングすることで,短時間でより多様な分離条件を検討し,最適化を図ることが出来ます。
キラル分析への応用
2種のキラル標準試料を,UHPLCとSFCの両方を用いてメソッドスカウティングを行った事例を示します。Method Scouting Solutionでは,モードをボタンで切り換えて,UHPLCとSFCの条件設定が行えます。
3種のカラムによるUHPLC/SFCクロマトグラムを比較すると,OmeprazoleはUHPLC条件で,ImdapamideはSFC条件で良好な分離が得られました。複数データのクロマトグラムは,LabSolutionsを用いて簡単に比較できます。
少量分取に対応
分析フラクションシステムにアップグレード
分析SFC Nexera UCにフラクションコレクターを追加すれば、少量分取も可能です。メソッドスカウティングによる分析条件
検討から数mgオーダーの少量分取までを、同じシステムで実現できます。
SFCを用いた分取時は,CO2が超臨界状態から約500倍の体積の気体状態に一気に膨張するときのカラムからの溶出液の飛散が回収率の低下の一因となっていました。独創の気液分離セパレーター(特許取得済み)によりCO2の体積膨張による溶出液の飛散を抑制することができるため,1.5 mLバイアルのような少量容器へも分取が可能です。2種の光学異性体を含むリナロールから,光学異性体同士を分離し,純度良く分取することができました。
抽出から分析までを自動化
複雑な試料中の目的成分を直接自動分析:Nexera UC オンラインSFE-SFCシステム
Nexera UC オンラインSFE-SFCシステムは,超臨界流体CO2抽出(SFE)と超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)を組み合わせた画期的なシステムです(特許取得済み)。固体試料から目的成分の抽出と分析を自動化することにより,前処理操作の時間短縮や分析精度の高いデータを得ることが可能です。また,オフラインでSFEを行い,既存のLC/MSなどの分析における前処理を簡便化することも可能です。
農産物中の残留農薬の一斉分析の前処理における従来法との比較
従来法の前処理操作では試薬の添加や遠心分離など数多くの工程が必要となりますが,Nexera UCでは複雑な操作は必要としないため,農薬分析の大幅な効率化が図れます。
「Unified Chromatography」を支える確かな技術
Nexeraで培った技術に基づいたNexera UC専用ユニット
超臨界流体抽出ユニット SFE-30A
SFE-30Aは,固体試料や固体に吸着した試料から超臨界流体CO2を用いて直接成分を抽出するユニットです。最大80°Cの加温機能により,広範囲の成分を抽出できます。専用の抽出容器はPEEK製5 mL, 0.2 mL (許容最大圧力20 MPa), SUS製10 mL, 5 mL, 0.2 mLの5種類あり,試料と検体試料量に応じて選択できます。標準で4検体,ラックチェンジャ(オプション)使用時には48検体の自動抽出が可能です。
CO2送液ユニット LC-30ADSF/超臨界流体背圧制御ユニット SFC-30A
ポンプヘッド冷却機能を内蔵した最大送液量5mL/min,最大使用圧力66MPaのLC-30ADSFと,独自の圧力制御機構を採用したSFC-30Aにより,低脈動で安定したベースラインが得られます。また,SFC-30Aは低内部容量の背圧制御機構により,ピーク拡散を抑制するだけでなく,カラム溶出液をスプリットすることなく全量を質量分析計に導入でき,超高感度分析を実現します。
環境負荷の低減にも対応
順相HPLCとNexera UCで,同じ分析を行った時のコストと溶媒の消費量を比較しました。従来HPLCと比較して87.6%ものコスト削減に成功しています。また,使用する溶媒はメタノールで,順相HPLCと比較してわずか5.8%の消費量で済みます。