定量信頼性に優れた独自の検出手法

独自の検出手法

Nexera還元糖分析システムは,ポストカラム反応技術と蛍光検出器により,糖類を選択的に検出する専用システムです。本システムは,ほう酸およびアルギニンを反応試薬とするポストカラム蛍光誘導体化検出法により,夾雑成分が多い試料中の糖類を選択的に,かつ高感度に定量することができます。

検出原理

糖類はほう酸存在下でアルギニンと加熱すると発蛍光物質を生成します。ほう酸陰イオン交換クロマトグラフィーや配位子交換クロマトグラフィーにより糖類を分離後,反応液として連続的に送液されるほう酸ーアルギニンの混合溶液との反応により,糖類は蛍光検出器により検出することができます。

糖類の高感度分析が可能

誘導体化された糖類は蛍光検出器RF-20Axsにより,高感度に検出されます。
従来の示差屈折率検出器では難しかった低濃度の糖類の分析が,還元糖分析システムでは可能になります。また,広範囲にわたるダイナミックレンジを有する検出法であるため,濃度差がある試料においても希釈倍率を変えることなく分析することが可能です。

Nexera還元糖分析システム使用による糖類標準混合液の分析(0.005 µmol/mL,10 µL注入)

Nexera還元糖分析システム使用による糖類標準混合液の分析
(0.005 µmol/mL,10 µL注入)

Nexera還元糖分析システム使用によるグルコースの直線性 ​(0.005 µmol/mL~0.5 µmol/mL, 10 µL注入)

Nexera還元糖分析システム使用によるグルコースの直線性
(0.005 µmol/mL~0.5 µmol/mL, 10 µL注入)

還元糖分析用陰イオン交換カラムShim-pack ISA-09を用いて、ポストカラムほう酸ーアルギニン蛍光誘導体化法による発酵食品中の糖類分析を行いました。この方法では還元糖を選択的かつ高感度に分析することができるため、食品のような夾雑成分の多い試料に対して有効です。 以下に、様々な食品の糖類を一斉分析した例をご紹介します。

醤油のクロマトグラム

味噌のクロマトグラム

赤ワインのクロマトグラム

飲用酢のクロマトグラム

多様な分離モードと組み合わせ可能

糖類は親水性の高い化合物であるため,疎水性相互作用によって化合物を分離する逆相クロマトグラフィーではなく,陰イオン交換クロマトグラフィーや配位子交換クロマトグラフィーを使います。
分析の目的に応じて,分離モードを選択する必要がありますが,Nexera還元糖分析システムはいずれの分離モードも適用できるため,様々な糖の分析が可能です。

ほう酸錯体陰イオン交換クロマトグラフィーによる糖の分離

熟練度によらず,信頼性高い分析を実現

高価な糖分析カラムを保護
FlowPilot(フローパイロット)

熟練者は送液を開始する際,急激な圧力付与によるカラム劣化を避けるため,カラム温度を上げながら段階的に移動相流量を増加させます。カラムオーブン温度と連携した移動相流量制御機能 FlowPilotは,まるで熟練者のような手順でカラムを保護しながらカラム平衡化を自動実行します。

連続分析中に移動相を枯渇させない移動相モニター

移動相やオートサンプラの洗浄液などの残量を重量センサー*を用いて,リアルタイムでモニタリング(最大12液)。 分析開始時に,残量が必要な液量を満たさない場合はメッセージでお知らせ。また,分析中も常に残量をモニターして,枯渇の可能性が生じれば作業者にPCやスマートデバイスで通知。補充のタイミングを事前に判断しやすくなります。 *オプション

分析で消費する量を満たすかチェック

分析で消費する量を満たすかチェック

ラボ外でも残量をモニター

ラボ外でも残量をモニター

万が一に備えて,常に自らを監視

ごく稀に,気泡となった移動相中の溶存空気がポンプ内に引き込まれ送液不良を引き起こし,クロマトグラムに異常を生じさせることがあります。新しいNexeraシリーズではこの現象を検知し(自己診断),オートパージによって気泡を排除してシステムを正常に回復する(自己復帰)機能を搭載しています。無人運転でも信頼性の高いデータが得られ,データ採取に失敗して移動相や貴重な試料を無駄にすることもありません。

試料冷却を確実に保つ独自構造

SIL-40シリーズは,分析中でも試料バイアルやMTPの追加挿入が可能なダイレクトアクセス機能を有し,分析業務の効率化を推進します。
Dry air flow controlは試料を確実に冷却すると共に,結露水の煩わしさから解放します。

熟練度によらず同じ波形処理

ベースライン処理=設定無し

ベースラインのうねりや,ノイズに埋もれたピークなどを 1つ1つ処理するのは手間の掛かる,熟練度により差が生じる作業でした。当社独自の波形処理アルゴリズムi-PeakFinderは,このような厄介なクロマトグラムの処理に最適です。大量のデータに対して高精度に一括処理できるため,多検体の多成分一斉分析データの解析をより迅速に実施できます。
⇒ i-PeakFinderの詳細はこちら

ベースライン処理=完全分離

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