独自の検出手法

 

島津独自の検出手法(pH緩衝化-電気伝導度検出法)により、イオン排除クロマトグラフィーで有機酸を分離した後、カラム溶出液にpH緩衝化試薬を連続的に添加し、pHを中性付近に保つことにより有機酸を解離状態にして電気伝導度検出するという、高選択性かつ高感度なシステムです。

イオン排除クロマトグラフィーで有機酸を分離した後、カラム溶出液にpH緩衝化試薬を連続的に添加し、pHを中性付近に保つことにより有機酸を解離状態にして電気伝導度検出します。

有機酸分析で用いられるイオン排除モードでは、充てん剤としてH+型陽イオン交換樹脂が用いられます。目的成分である有機酸は、固定相表面のH+型イオン交換基と移動相間におけるDonnan排除の大小によって分離されます。このモードでは、固定相の負電荷により、強酸は大きな静電的排除を受けて充てん剤ポア内部に浸透できませんが、有機酸のような弱酸はその電荷の大きさにより、どれだけポア内部へ浸透できるかが決まり、溶出時間の差(分離)が生じることになります。大きな負電荷を持つ(pKaの小さい)くえん酸や乳酸は、酢酸などと比べ、より大きな静電的排除を受けるために、よりはやく溶出します。有機酸は原理的にはpKaの小さい順に溶出し、中性物質の溶出位置(完全にポアに浸透した位置)までにすべて溶出することになります。

カラム溶出液にpH緩衝液を混合し、pHを中性付近に保つことにより、ほとんどの有機酸を解離状態として電気伝導度検出します。
→より詳しい原理解説は”こちら"

熟練者によらず、信頼性高い分析を実現

高価な有機酸分析カラムを保護
Flowpilot(フローパイロット)

熟練者は送液を開始する際、急激な圧力付与によるカラム劣化を避けるため、カラム温度を上げながら段階的に移動相流量を増加させます。カラムオーブン温度と連携した移動相流量制御機能 FlowPilotは、まるで熟練者のような手順でカラムを保護しながらカラム平衡化を自動実行します。

 
 
 

波形処理作業の省力化
自動波形処理アルゴリズム : i-Peak Finder

電気伝導度検出器を適用し、酒類などの試料中の有機酸を分析すると、アルコール由来の負ピークが検出することがあり、波形処理作業に時間がとられ、さらに手動波形処理を施す場合には、手間がかかるだけでなく、作業者間で異なる結果になるリスクがあります。こうした問題に対し、自動波形処理アルゴリズム:i-Peak Finderは、従来の波形処理(クロマトパックモード)と異なるアルゴリズムによって波形処理作業の煩雑さとヒューマンエラーのリスクを低減します。

 

連続分析中に移動相を枯渇させない移動相モニター

移動相やオートサンプラの洗浄液などの残量を重量センサー*を用いて、リアルタイムでモニタリング(最大12液)。 分析開始時に、残量が必要な液量を満たさない場合はメッセージでお知らせ。また、分析中も常に残量をモニターして、枯渇の可能性が生じれば作業者にPCやスマートデバイスで通知。補充のタイミングを事前に判断しやすくなります。 *オプション

 
 
 
 
 
 
 
 

万が一に備えて、常に自らを監視

 

ごく稀に、気泡となった移動相中の溶存空気がポンプ内に引き込まれ送液不良を引き起こし、クロマトグラムに異常を生じさせることがあります。新しいNexeraシリーズではこの現象を検知し(自己診断)、オートパージによって気泡を排除してシステムを正常に回復する(自己復帰)機能を搭載しています。無人運転でも信頼性の高いデータが得られ、失敗データ採取で移動相や貴重な試料を無駄にすることもありません。

 

 

ワークフローを自動化

装置のスタートアップからシャットダウンまでの一連の分析業務を支援する機能により、作業効率が大幅にアップします。カラムオーブン温度と連携した移動相流量制御機能FlowPilotにより、カラムを保護しながらカラム平衡化を自動実行します。ベースラインドリフトの自動チェックで装置の安定を待つため、装置のそばにいる必要はありません。

  
 

ANALYTICAL INTELLIGENCE

Analytical Intelligenceは、島津製作所が提案する分析機器の新しい概念です。システムやソフトウェアが、熟練技術者と同じように操作を行い、状態・結果の良し悪しを自動で判断し、ユーザーへのフィードバックやトラブルの解決を行います。また、分析機器に対する知識や経験の差を補完し、データの信頼性を確保します。

 

手間を省き、分析安定性を高める移動相試薬セット

有機酸分析移動相試薬セット 
(P/N:228-61465-91)
 
 

有機酸分析移動相試薬セットは、開封後すぐに使用いただけるように調整された溶液の状態で梱包されているため、
ユーザーは溶液調製にかかる時間やコストを削減(※)するだけでなく、調製ミスを心配することなく安定してデータ採取できます。
※年間約7万円のコスト削減(当社試算値)

1バッチ40回の分析をルーチンで分析する想定で、自家調製した場合と試薬セットを購入した場合の年間コストを比較すると、分析の回数が多いほど、コスト削減分が大きくなります。 例えば、3日に1回の頻度で有機酸の分析をする場合には、年間約350,000円のコストが削減されます。(当社調べ)

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