QuantaSep Adept 300

シングルユースフローパスを備えた
臨床生産用ベンチスケール自動クロマトグラフィーシステム
QuantaSep Adept 300はシングルユースの卓上小型自動クロマトグラフィーシステムで、選択する流路に応じて、流量範囲10 ~ 100 mL/min または 30 ~ 300 mL/minでのオペレーションが可能です。一体型システムには、コンピューター制御のデュアルポンプ、最大12個のバッファー選択バルブ、インラインミキサー、フィルター、 最大10個のフラクション切替バルブが含まれます。システムの機能として、使いやすい高性能ソフトウェアパッケージによるバッファーの切り替え、グラジエント形成、給液プレフィルター、 気泡の排出、カラム前後での電気伝導度およびpHの検出、順方向と逆方向への送液制御などが挙げられます。このソフトウェアでは、プロセス条件に基づくバッファーやフラクションの切り替えが行え、過剰な圧力や液漏れが生じた場合にアラームが出されます。 すべてのイベントは自動で記録、保存されます。
QuantaSep Adept 300は、制御コンピューターと送液装置モジュールで構成されています。送液装置モジュールは人間工学に基づいて設計された単一のキャビネットに収納されています。ベンチトップ装置をカートに乗せて移動することもできます。制御ソフトウェアを搭載したコンピューターは、一体型システムとして使用するだけでなく、送液装置モジュールと切り離し、遠隔操作をすることもできます。システムは、定置洗浄(CIP)操作用の1M NaOHとアルコールへの適合性があり、低温室で処理できるように4 ℃での動作が可能です。
特長
洗浄バリデーション不要で 複数品目の生産にも迅速対応
- センサー類と一体のシングルユースのフローパスアッセンブリー
- フローパスの着脱が短時間で容易に実施可能
少量から大量スケール精製まで対応
- 10 ~ 100 mL/minと30 ~ 300 mL/minの2つのフローパスを1台の装置で使用することが可能
省スペース
- 設置面積が小さく、卓上、冷蔵室への設置が可能
精密なステップ&リニアグラディエント
- 100:1 のターンダウン比で正確なグラジエントを実現
- 小さいシステムボリューム
柔軟で安定したダウンストリームプロセスの構築
- UV、pH、電気伝導度をモニターし、バッファー供給、フラクション分取を自動化
- カラム順方向/逆方向/バイパス送液機能
- 「アクティブエアトラップ」によるカラム手前での気泡の連続的な検出と除去で、原材料や貴重な生産時間の損失を防止
無人で24時間365日運転
- 液漏れ検知アラームと圧力異常アラームにより、生産現場における損失を防止
cGMPレポートの自動生成
- 完全なバッチレポート
- イベントとログ
- クロマトグラムとキャリブレーション履歴
着脱可能な流路

本システムの流路は簡単に取り外せる設計です。そのため、洗浄バリデーションが不要です。カラムやプロダクトを切り替える際の交差汚染に関わる問題は、流路を簡単に交換できるため、実質的に最小限に抑えられます。ピンチバルブやペリスターポンプにおいても、一体型センサーブロックとそれにつながるチューブアッセンブリーを、簡単に取り外して交換することができます。
QuantaSep Adept 300の流路図

QuantaSep ソフトウェア
シンプルかつパワフルな操作性
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QuantaSepのインタラクティブなグラフィカルユーザーインターフェイスはシンプルであり、使いやすく、習得しやすいため、効率的で強力です。メイン画面には、システムのフローチャートおよびすべての主要コンポーネントとそのリアルタイムステータスを素早く簡単に表示できます。マウスクリックだけで、バルブの開閉やポンプの停止/始動、新しい流量の設定、フラクションの分取ができ、その他のシステム操作もすべてワークステーションから実行できます。
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直感的なプロトコールの構築
プログラミングはシンプルです。ツールバー上のアイコンをクリックしてメソッドエディターを開きます。その後、スプレッドシートに各ステップ(バッファーの通液やバッファー交換、UV、電気伝導度、pH、気泡に基づくフラクションステップの実行)を入力します。 グラジエントボックスをクリックして、グラジエントプロファイルを選択します。プロダクトをロードする前にイベントボックスをクリックしてUVのベースラインをゼロにするか、プロダクトの溶出を開始する前に一時停止をプログラムします。

セキュリティー
マルチレベルのパスワード保護で、システムへのアクセスを制限します。例えば、オペレーターにはメソッドの実行を認めてもパラメーターの変更は認めず、管理者だけに変更の権限を与える、あるいは、品質管理グループにキャリブレーションパラメータ設定へのアクセス権を認めるなど。ソフトウェアのセキュリティー管理者には、これらすべてとそれ以上の権限を有効にできます。
cGMPの文書記録とデータ解析
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すべてのイベントを(逸脱を含め)手動または自動でバッチログに記録できます。メソッド、使用したバッファー、すべてのアラームおよびイベント、クロマトグラムデータと解析で構成されるレポートを印刷したり、バッチログの一部として保管したりできます。即時データ解析は、進行中のプロセスをベースラインデータと比較して素早くチェックすることで、想定される損失を防ぐために役立ちます。
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