7nm~800μmの幅広い粒子径範囲をカバー。 一次粒子から凝集体,コンタミまでを一台の装置で測定

・測定範囲7nm~800μmの粒子の変化を,単一光源,単一光学系および単一の測定原理で,切れ目なく連続的に測定できます。
・一次粒子から凝集体,コンタミまでを一台の装置で測定できるので,分散条件などによる凝集特性を幅広い範囲で確認できます。

 

ナノ粒子の実用化において最も重要な分散・凝集特性の評価を広範囲かつリアルタイムで実現

 

最短1秒間隔で連続測定,リアルタイムでのモニタリングも可能

・測定時間は最短では1秒。1秒間隔での連続測定やリアルタイムでのモニタリングが可能。これは,光源の切り換えが必要ない単一光源-広角度検出方式だからこそ実現できる機能です。
・ナノ粒子の分散・凝集・溶解などの反応プロセスを最短1秒間隔で連続観察し,その結果を保存することができます。さらに,統計処理,三次元表示などの機能を使用して多角的に分析・評価することができます。
・フローセルをファインバブル発生装置に直結すれば,ファインバブルの発生状況をインラインでモニタリングすることが可能です。

測定可能濃度範囲 0.1ppm~20%

・他の手法に比べて,非常に広い濃度範囲(0.1ppm~20%)で測定が可能です。
・粒子,特にナノ粒子は濃度により粒子径が変化してしまいます。濃度を変化させてナノ粒子の分散・凝集状態を観察することができます。
・希釈をすることで粒子径分布が変化してしまうようなサンプルでも,原液のまま,あるいは必要最低限の希釈をするだけで測定が可能なため,より正確な測定を行うことができます。

極少量のサンプルでの測定も可能

・回分セルSALD-BC75は,容量がわずか5cm3で測定が可能なため,懸濁液の廃液処理が少量で済みます。また,ほとんどの有機溶媒を使用することができます。
・高濃度測定ユニットSALD-HC75と独自の「ガラス試料板(くぼみ付スライドグラス)」の組み合わせにより,最小15マイクロリットルでの測定が可能になります。

広角60度までの前方散乱光を一つの検出面で連続的にキャッチ

SLIT光学系

測定対象となる粒子径範囲をひとつの測定原理,ひとつの光学系,ひとつの光源でカバーし,完全にシームレスなシングルワイドレンジを実現。複数光学系の組み合わせによるデータの不連続が発生せず,ひとつのスタンダードで,全測定範囲にわたり常に正確な粒子径分布を測定することができます。
しかも,高度な散乱光強度追跡技術に基づくSLIT光学系を採用することによって,従来の常識を打ち破り60度までの広角度の前方散乱光を一つの検出面で連続的に検出できるようになりました。これにより微粒子領域における高い分解能が得られるようになりました。
* SLIT(Scattered Light Intensity Trace,散乱光強度追跡)

高感度WingセンサIIを採用

最高水準の半導体製造技術によって作られた78素子の前方散乱光センサ(WingセンサII)を採用。変動の激しい前方微小角散乱を高分解能に,光強度の微弱な広角散乱を高感度で検出することができます。さらに側方散乱光センサ1素子,後方散乱光センサ5素子を配置しており,この合計84素子の光センサで光強度分布パターンを正確にキャッチすることによって,広い粒子径範囲にわたって,高分解能で高精度な粒子径分布測定を実現しています。

光学系の安定性を追求

全方位衝撃吸収機構: OSAF(Omni directional Shock Absorption Frame)を採用,実験台とフレーム間,フレームと光学系間の2段階で衝撃を吸収する機構を設けることによって,光学系の全ての要素を外部からの振動や衝撃から隔離・保護しています。また,測定部内部にもモータなどの振動源は一切ありません。このため光軸調整はほとんど必要ありません。

自己診断機能の搭載でメンテナンスが容易

強力な自己診断機能を組み込みました。各種センサ/検出素子の出力信号や装置の動作状況がチェックでき,メンテナンスが容易になりました。また,オペレーションログ(Operation Log)機能により,すべての測定データには,装置の使用状況やセルの汚れの状態などきめ細かな情報が同封されており,過去にさかのぼってデータの妥当性を検証することができます。また,セルの汚れ具合の確認も可能です。

レーザ回折法 ISO13320/JIS Z 8825-1 準拠

SALD-7500nanoは,レーザ回折・散乱法の規格ISO 13320およびJIS Z 8825-1に準拠しています。

JIS標準粒子でバリデーションが可能

装置性能を確認するためのサンプルには,JIS Z8900-1で規定される標準粒子「MBP1-10」を使用することができます。このサンプルは,広い粒子径分布を持ち,その分布がJISで規定されています。このサンプルを使用することで,装置が常に正確な状態であることを検証できます。

光強度分布データから測定結果の妥当性を検討可能

同一画面に,光強度分布データ(生データ)と測定結果(粒子径分布データ)を表示できるので,両方のデータを参照しながら測定結果を検証することができます。
検出信号のレベル(粒子濃度)が適正かどうかの検証だけでなく,分布幅の広さや凝集体やコンタミ成分の存在などを多角的に検討し測定結果の妥当性を確認できます。

選べるシステム構成で多様なニーズに対応

幅広い用途,目的,測定対象と,多様な測定環境,測定条件に合わせて多彩なシステムを構成できます。

屈折率選択のミスやわずらわしさを解消

屈折率自動計算機能を搭載
レーザ回折・散乱法では避けて通れない屈折率の選択については,文献値を入力する方法などが一般的でしたが,粒子組成や形状の影響から必ずしも妥当とは言えませんでした。そのため,トライ&エラーによる屈折率の選択という煩雑な作業も行われてきました。このような問題を解決するためにLDR法(Light Intensity Distribution Reproduction Method,光強度分布再現法)に基づいて妥当と思われる屈折率を自動計算する機能を世界で初めて搭載しました。
トップ5(第1番目から第5番目まで)の屈折率の候補が評価ポイントとともに表示され,その屈折率を用いた場合の粒子径分布もサムネイルとして表示されます。評価ポイントとサムネイルを参考に妥当な屈折率を選択することができます。
主要物質については,リストから屈折率を選択することができます。
 

※ LDR法は,実測された光強度分布と粒子径分布データから再現(再計算)された光強度分布との一致性から妥当な屈折率を自動計算する手法です。これは弊社が開発した手法で,2件の論文として発表され,「木下の手法」と呼ばれることもあります。

SOPで確実な測定をアシスト

SOP作成によりいつも確実に同一条件・同一手順で測定できます。-アシスト測定機能—

前処理方法・条件を含めて測定条件・測定手順を作成・保存し共有することで,オペレータの交替や,異なる場所・工場での測定時も同一条件・同一手順で測定することができ,安心してデータ比較を行って頂けます。
さらに測定時に「アシスト機能」を使用することで測定者への作業指示が画面に表示されますので,オペレータの経験に依ることなく正しい測定を行って頂けます。
また,操作権限が管理者とオペレータに分かれており,セキュリティについても配慮しています。
 

※SOPは,"Standard Operation Procedure" を略した用語です。

粒子径分布データ/光強度分布データをリアルタイムで同時に表示

サンプルの時間的変化や分散状態の推移をリアルタイムでモニターすることができます。
生データである光強度分布データと粒子径分布データの両方を同時にモニタリングすることが可能であるため,お互いの対比をしながらサンプルの状態変化を把握することが可能です。

最短1秒間隔で粒子径の変化を連続測定

最短1秒間隔で,粒子径の経時変化を連続測定し,その結果を保存することができます。さらに,結果を三次元表示などの機能を使って多角的に分析・評価することができます。例えば,粒子群の分散・凝集・溶解の反応過程をモニタリングすることができます。

炭酸カルシウムの溶解過程を光強度分布データと粒子径分布データで示したものです。 溶解は径の小さい粒子から進み,大きな粒子の相対粒子量が増えていく様子を見ることができます。

測定データを多面的に評価 -豊富な解析アプリケーションを標準搭載-

以下の解析アプリケーションを標準で搭載しました。

散乱角度評価
散乱光の角度ごとの強度成分をグラフに表示します。高度に集積されたフォトダイオードアレイの特長を生かして,特に低散乱角度において高い分解能で評価が可能です。
応用分野:フィルムやシートの散乱特性評価
データ変換(エミュレーション)機能
SALDシリーズの測定結果をもとに,他機種,他原理の測定結果のエミュレーション(模倣)を行うことができます。これにより従来の測定方法とのデータ互換性を保つことが可能となります。

SALDシリーズと他機種・他原理との粒子径分布データの関係を,図に示すように積算%スケール(縦軸)上の51ポイント(0.01%,2%,4% …… 96%,98%,99.98% )のそれぞれに対する51の変換式として求めます。この51の変換式を構成するai (i = 1,2,…,51)およびbi(i = 1,2,…,51)の合計102個のパラメータを1つの変換テーブルとして記憶し,データ変換(エミュレーション)に用います。

エミュレーションは,オールマイティなものではありませんが,測定装置の更新をスムーズに行うためには有効なツールとしてお使いいただけます。
変換テーブルを作成するためには,共通のサンプルを2機種で測定したデータが必要です。

混合シミュレーション機能
複数の粒子径分布データを任意の混合比で混合した場合の粒子径分布をシミュレーションすることができます。
「実際にサンプルを混合して粒子径分布を測定する」という面倒な作業を繰り返さなくても,所望の粒子径分布を得るための最適な混合比を検討することが可能になります。
データ接続機能
測定範囲の異なる2つの測定結果を任意の粒子径ポイントで接続し,ひとつの粒子径分布データを作成することができます。例えば,2000μm以上のフルイのデータと2000μm以下のSALDシリーズのデータを接続して土木・防災や環境分野で必要とされる広範囲の粒子径分布データを作成することができます。

複数データの処理を効率化

複数のデータをグループ化して保存することによってデータの整理だけでなく,再表示や再解析を容易にしました。いちいち個別のデータを呼び出さなくても,グループを呼び出すだけで一度に表示・解析することができます。

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