粉博士のやさしい粉講座
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実践コース:測り方疑問解決編
 
比表面積/細孔分布測定装置
1 比表面積の測定法
  比表面積の測定法には以下に示すような様々な方法が存在します。  
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  まず、(1)透過法(2)気体吸着法に大別されます。

(1)透過法
粉体の充填層に流体(水、空気等)を流す時、粉体粒子が細かいほど流れにくくなります。粉体の粒径と流体の透過性との間には相関があります。この関係から粉体の比表面積を求めようとするのが透過法です。透過法の基礎になっているのがKozeny-Carmanの式です。適当な試料筒に充填した粉体層に流体を通し、そのときの圧力降下と流速を測定すると、試料の比表面積が求められます。求められる比表面積は外部比表面積であって流体の流れに影響しないような亀裂や細孔は測定されないと考えるべきです。


(2)気体吸着
粉体粒子より十分小さく、かつ大きさが既知の小球を粒子の表面に隙間なく並べてその個数を数え、小球一個が占める六角形の面積を乗じてやれば比表面積が求められます。通常この小球として、窒素などの気体分子が用いられ、これを試料表面に隙間なくならべるために、吸着という現象が利用されます。
 
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  固体(粉体)に対する気体分子の吸着現象には、物理的引力によるものを物理吸着と言い、化学的引力によるものを化学吸着と言います。表面積測定には通常物理吸着が用いられます。
物理吸着には、 (3)容量法(4)重量法および(5)流動法があります。さらに、(3)容量法は、A定容法B定圧法に細分されます。
 
 
(3)容量法: 吸着前後のガス分子数の変化から吸着量を求めるものです。理想気体の状態方程式を利用する方式です。
 
A定容法: 一定容積内の圧力変化を検出する方式です。
B定圧法: 一定圧力にするためのガス導入量を検出する方式です。
(4)重量法: 吸着による試料重量の増加を直接検出する方式です。
(5)流動法: 吸着ガスとキャリアガスの混合ガスを流し、吸着時の混合比を検出する方式です。
 
 
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