粉博士のやさしい粉講座
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実践コース:測り方疑問解決編
レーザ回折式粒度分布測定装置
17 粒度分布における体積基準と個数基準について
レーザ回折・散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置、すなわちレーザ回折式粒度分布測定装置では、粒度分布を体積基準で測定しています。ただし、必要に応じて体積基準から計算によって個数基準の粒度分布として測定結果を出力することもできます。
一般に粒度分布測定装置と呼ばれる装置の場合、体積基準で粒度分布を測定している装置が多いように思います。また、微粒子カウンタなどのように「カウンタ」という名称が使われている装置では、測定原理が異なっていても、ほとんどの場合、個数基準が用いられています。
1μmの粒子と10μmの粒子を考えた場合、個数基準で1:1の割合であっても、体積基準では1:1000になってしまいます。逆に体積基準で1:1でも個数基準では1000:1の割合で存在することになります。したがって、体積基準と個数基準のどちらを用いるかで、同じ測定対象の粒度分布でも、かなり異なった印象を与えてしまうことがあります。
例えば、同じ粒度分布を体積基準で表現したものが図1で、個数基準で表現したものが図2となります。分布範囲が広い場合には、両者の差はさらにひろがることがあります。
図1.体積基準
図1.体積基準
図2.個数基準
図2.個数基準
粒子が球形であると仮定して,体積基準の粒度分布に基づいて個数基準の粒度分布を計算することが可能です。逆に,個数基準の粒度分布から体積基準の粒度分布を計算することも可能です。以下に差分%(体積基準)から差分%(個数基準)への変換の計算式を示します。
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