【Q&A集】SHIMADZU におい分析Webinar ートップランナーに聞くにおい分析の最前線ー

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【Q&A集】SHIMADZU におい分析Webinar
ートップランナーに聞くにおい分析の最前線ー

Q : 香気成分スマートデータベースにはおおよそ何種類の成分のデータが登録されていますか。

A : トータルで511成分の香気成分が登録されております。文献やユーザーヒアリングを元に香気分析で重要となる成分を登録しております。

Q : 香気成分DBについて,511種類というのは,どのようにして選定されたのでしょうか。

A : 文献やユーザーヒアリングを元に香気分析で重要となる成分を登録しております。

Q : smartAromaDatabaseが網羅している食品のジャンルはどのようなものがありますか?情報量として強い弱いなどの偏りがあれば知りたいです。

A : 特に偏りはございません。食品や飲料全般に適応いただくことができます。

Q : スマートアロマデータベースを活用するにはカラム種の指定があるのでしょうか?

A : はい,カラムの指定がございます。微極性カラムと2種類の高極性カラムに対応しております。

Q : Q&Aにてカラムは微極性~強極性が登録されているとのことですが,無極性カラムは香気分析には向いてないのでしょうか(茶の香気分析を検討しています)

A : 香気成分は,極性の官能基を持つ成分が多いため,これらの成分に対応するため,微極性~高極性カラムが使用されることが多いです。

Q : 香気スマートデータベースについて,3種類のカラムの保持時間情報がデータベースに収載されているとのことでしたが,この三種類のカラムの保持時間が別々に全ての収載化合物について収載されているのでしょうか?

A : はい,全登録化合物に対し,それぞれのカラムで保持指標を採取し,登録しております。これにより,精度の高い香気成分の同定が可能になります。

Q : スマートデータベースは,所定の条件でのみ使用できるとうかがいましたが,においかぎでも使用可能と先ほど講演にありましたが,通常の分析条件と異なってくると思いますが,その場合も対応(使用)できるのですか?

A : Smart Aroma Databaseには,匂い嗅ぎが接続した際の条件のメソッドファイルも含まれておりますので,そのままお使いいただけます。

Q : Smart Aroma DataBaseは自動解析機能は搭載されていますでしょうか。

A : はい,データベースを用いることで,保持時間・マススペクトル・マスクロマトグラムの情報を使って,自動的に登録成分を検出することができます。

Q : 香気については自分で追加登録できますか?(フルーティーなど)

A : はい,追加登録が可能です。Smart Databaseは,お客様で自由に編集できる形式となっております。官能情報の追加や化合物の追加などが可能になっておりますので,お客様オリジナルのデータベースにすることができます。

Q : 自社の官能情報を入れることは出来ますか?

A : はい,入れることが可能です。Smart Databaseは,お客様で自由に編集できる形式となっております。官能情報の追加や化合物の追加などが可能になっておりますので,お客様オリジナルのデータベースにすることができます。

Q : ライブラリにある官能情報の用語は何か文献から引用しているのでしょうか?

A : はい,種々の文献から引用して登録されております。

Q : ライブラリ搭載の香りの官能は日本人でも理解できる表現でしょうか。文献の表現などは,言葉で理解できても具体的なイメージができな表現ばかりで困っています

A : Smart Aroma Databaseの官能情報は,文献の表現がベースとなっております。異臭データベースについては実際に共同開発した大和製缶様で実際に嗅いだ匂いの情報が登録されております。また,におい嗅ぎGCMSとしてご使用いただくことで,溶出した成分の実際の匂いを嗅ぐことができます。

Q : 香調情報は論文から引用されているとのことですが,引用元の論文情報はライブラリーより確認出来ますでしょうか

A : ライブラリから確認はできませんが,参照元の情報は提供可能です。

Q : データベース内に閾値情報も収載されていますか?

A : Smart Aroma Databaseに閾値情報は登録されておりません。閾値情報については,アルファモス社様のAroChemBaseというソフトウェアをご案内しております。
https://www.alpha-mos.co.jp/sensory/am-arochembase.html

Q : Smart Aroma DataBaseに閾値情報は搭載されていますでしょうか。

A : Smart Aroma Databaseに閾値情報は登録されておりません。閾値情報については,アルファモス社様のAroChemBaseというソフトウェアをご案内しております。
https://www.alpha-mos.co.jp/sensory/am-arochembase.html

Q : 香気成分について,主成分分析に用いる元データはなんでしょうか(濃度あるいは面積値?)また,香気の登録された成分のみに絞って実施可能でしょうか。

A : 今回ご紹介したアプリケーションでは,面積値を用いて主成分分析を行っております。香気の登録された成分などに絞って解析することも可能です。

Q : 最後の「統合した解析」について,味と香りはどのようにデータを統合して主成分分析にかけているのでしょうか?

A : 代謝成分と香気成分のピーク面積値をそれぞれ表形式として出力し,それを多変量解析ソフトのSIMCAで読み込んで解析を行っております。

Q : 香気成分に関して質問です。GCMSで同定した成分に関して主成分分析をやられていましたが,同定成分の中にはアルコール類等香気に寄与しない成分が多数含まれていると思います。その際に,どの成分が香気に寄与しているか等はどのように判別しているのでしょうか。最後のページの各々のビールへの寄与が大きい成分を選定していた際に,すべて香気に寄与している可能性の高い成分のようでしたので気になりました。

A : Smart Aroma Databaseでは,香気に寄与しうる成分をピックアップして登録しております。そのため,本データベースを活用することで,香気成分のみに絞って解析することができるため,効率的な香気分析が可能です。

Q : ビールの香気成分分析例の前処理・抽出方法を教えてください。聞き逃していたら申し訳ございません。

A : 今回ご紹介したビール香気分析の前処理はSPME Arrowを使用しております。詳細は,下記の弊社アプリケーションニュースをご参照ください。
https://www.an.shimadzu.co.jp/aplnotes/gcms/an_01-00316-jp.pdf

Q : 香気データベースについて,食品・飲料製品の香気分析をご紹介いただきましたが,化学製品・樹脂製品の香気分析への適用・応用も可能でしょうか。

A : はい,食品・飲料に限らず,化成品等のにおい分析にも適応することが可能です。今後,化成品のアプリケーションも拡充していく予定です。

Q : Smart Aroma DatabaseのGCMSのキャリアーガスはHeですか?

A : はい,データベース自体はヘリウムに対応しております。

Q : TD-GCMSでも適用可能ですか?

A : はい,TD(加熱脱着)法にも対応しております。弊社のオートサンプラとしては,TD-30及びOPTIC-4が対応しております。

Q : 具体的には何年以降の貴社GCでSmart Aroma Databaseが使用可能でしょうか。

A : GCMS NXシリーズ,GCMS-QP2020,GCMS-TQシリーズ,GCMS-QP2010 SEのモデルに対応しております。

Q : 発酵の過程で生じる香りには,良い香り(香気成分)に限らず,嫌な香り(臭気成分)も生じます。におい全般に対応したデータベースはありますか?

A : 香気分析に対応したSmart Aroma Databaseの他に,異臭分析に対応した異臭分析システムがございます。これらを合わせてご使用いただくことも可能です。
https://www.an.shimadzu.co.jp/gcms/off-flavor/index.htm

Q : 異臭分析システムでは,においの質はどのような表現がされますか?

A : 異臭分析システムでは,共同開発した大和製缶様により採取した官能情報が登録されております。Smart Aroma Databaseでは,文献から引用した官能情報となっております。

Q : 異臭データーベースのように検量線試薬必要ですか

A : 半定量機能を使用する場合は,感度補正試薬が必要になります。なお,感度補正試薬は異臭分析データベースと同じ試薬を採用しております。

Q : FFNSC 香料ライブラリに収録されているデータとは全然違うのでしょうか

A : FFNSC香料ライブラリは,マススペクトルライブラリになります。Smart Aroma Databaesは,マススペクトルや保持指標に加えて,マスクロマトグラムのイオン情報,官能情報,MRM情報などの情報も登録されています。さらに,データベースから分析・解析メソッドを作成することができます。

Q : 石油化学のにおい分析で訂正が難しいです。ご発表されたDBで適用させられるものはございますか。

A : 香気データベースは分野に問わず適応することができます。石油化学では夾雑成分が多いために定性が難しいかと想定されます。そのような場合は,MRM分析が有効になる場合がございます。

Q : 工場やし尿処理場等の不快なにおいも解析できますか

A : Smart Aroma Databaseは様々なサンプルに適応することができます。匂いに関するデータベースとして,このほかに,異臭分析に特化した異臭分析システムもございます。
https://www.an.shimadzu.co.jp/gcms/off-flavor/index.htm

Q : VOC定性分析発生した気相成分同士は副反応して,新たな成分として検出することはありますか?

A : 一般的な香気分析の条件では起こりにくいです。一方で,非常に高温(300℃以上)などにすると,起こり得る場合がございます。

Q : Smart Metabolite Database ver.2の糖専用メソッドは,ソフト側のメソッドで異性体を分離できるようにしているでしょうか。それともサンプルの前処理方法という意味でのメソッドになるのでしょうか。また,後者の場合,前処理をそのメソッドに則って行えばVer.1の方でも異性体を分離できるのでしょうか。

A : 糖専用のメソッドでは両者とも最適化しております。そのため,メソッドと前処理(誘導体化方法)がVer.1のものと異なっておりますので,Ver.1に登録されているメソッドを使用して分離することは出来ません。Ver.1をお持ちの場合には,アップデート価格でご購入いただけますので,ご検討いただけますと幸いです。

Q : 代謝データベースでの使用する糖の分析方法,誘導体化法などの詳細を論文などで見つけることができますか?

A : 糖の前処理方法に関しましては,アセチル誘導体化を利用しております。製品に同梱しておりますハンドブックに前処理の手順は記載はしておりますが,論文等では発表しておりません。

Q : 1つ目のご講演のQ&Aで代謝マップへのマッピングについて言及があったかと思いますが,聞き逃してしまったので教えて頂きたいです。現在は手作業でパワポ上にグラフを貼り付けたりして作成していますが,上記のデータベースか御社の分析ソフトに自動でマッピングするような機能があるのでしょうか。

A : 申し訳ございませんが,Smart Database製品には多変量解析に関連する機能は付属しておりません。弊社で提供しております「マルチオミクス解析パッケージ」あるいは,「Traverse MS」という多変量解析ソフトウェアにマップ機能が付属しております。それぞれのソフトウェアで機能とフローは異なっておりますが,どちらのソフトウェアでも1度目的のマップを作成していただくと,以後はマップ用のファイルを呼び出すだけでマップ表示をさせることが出来ます。

Q : 賞味期限の設定に役立つ,化合物の選定は

A : 食品劣化においては,アミン類,アルコール類,有機酸類などが発生することは一般的に知られておりますが,それらは劣化していない食品にも含有しており,賞味期限設定の指標にするには検討が必要であると思います。弊社で作成しておりますアプリケーションニュース(No.M299)では,代謝物による劣化指標のマーカー探索を目的とした分析例を紹介しておりますので,分析方法のご参考にしていただけますと幸いです。

Q : メタボロームのデータベースには味覚との関わりについてのデータは含まれていますか?

A : 申し訳ございませんが,味覚に関する情報の記載はございません。化合物に関する情報としては,化合物名に加え,Cas番号やPubChemIDを登録しております。これらの情報を基に参考となる情報を収集していただければと考えております。

Q : 本システムに関して,HeではなくN2,H2をキャリアガスに使用しても活用可能なのでしょうか。

A : キャリアガスを変更した場合,メソッドの変更を行う必要がございます。下記のメソッドトランスレータ―により簡便に変換することができます。
https://ez.restek.com/ezgc-mtfc/ja
本メソッドトランスレータ―で変換することで,データベースの保持指標をお使いいただけます。
https://www.an.shimadzu.co.jp/gcms/support/lib/pdf/laan-j-ms120.pdf
なお,代替キャリアガスを使用することにより,感度が低下する点にはご留意ください。また,精密な定量や定性を行う際には標準試料をご使用いただくことをお勧めします。

Q : ヘリウム 水素いずれのキャリアガスでも対応できますか

A : データベース自体はヘリウムに対応しております。キャリアガスを変更した場合,メソッドの変更を行う必要がございます。下記のメソッドトランスレータ―により簡便に変換することができます。
https://ez.restek.com/ezgc-mtfc/ja
本メソッドトランスレータ―で変換することで,データベースの保持指標をお使いいただけます。
https://www.an.shimadzu.co.jp/gcms/support/lib/pdf/laan-j-ms120.pdf
なお,代替キャリアガスを使用することにより,感度が低下する点にはご留意ください。また,精密な定量や定性を行う際には標準試料をご使用いただくことをお勧めします。

Q : このデータベースは水素ガスキャリアでも使えますか?

A : キャリアガスを変更した場合,メソッドの変更を行う必要がございます。下記のメソッドトランスレータ―により簡便に変換することができます。
https://ez.restek.com/ezgc-mtfc/ja
本メソッドトランスレータ―で変換することで,データベースの保持指標をお使いいただけます。
https://www.an.shimadzu.co.jp/gcms/support/lib/pdf/laan-j-ms120.pdf
なお,代替キャリアガスを使用することにより,感度が低下する点にはご留意ください。また,精密な定量や定性を行う際には標準試料をご使用いただくことをお勧めします。

Q : 多変量解析もこのDBのパッケージの中で実施可能でしょうか?

A : 申し訳ございませんが,多変量解析の機能はDBの中には含まれておりません。弊社では,多変量解析の目的や熟練度・お持ちの装置などに応じて最適なソフトウェアをご用意しております。

Q : 多変量解析方法について教えて下さい。

A : 複数のサンプルにおける違いを調査する場合,クロマトグラム上のピーク数が多くなると,定性・定量という従来からの解析手法だけでは,両者の差異を明確に知ることは困難です。こうした問題を解決する手法のひとつとして,多変量解析があります。種々ある多変量解析の手法の中でも,セミナー内で説明しました主成分分析(PCA:Principal Component Analysis)では,得られたピークの情報のひとつひとつの測定値を独立して解析するのではなく,全ての測定値を総合的に取り扱い,その中にある違いを視覚化します。この手法では,違いを大きく表すための重み付けをして合成することにより,視覚的に読み取れる2 次元(または3 次元)のグラフに投影することで,サンプル間の類似性や差異を表現します。

Q : 既存のGC-MSにSmart Databaseを適用するにはどのようにすればよいですか?

A : データベースのみを購入いただく形となります。

Q : 他社(A社)のGC/MS装置に本DBを使用することはできますでしょうか?

A : データベース自体は,弊社の装置のみに対応しており,データベースを用いたメソッド作成や解析は他社の装置では使用することはできません。一方で,データベースに登録された保持指標やイオン情報,官能情報は,参考情報として使用いただくことはできます。

Q : DBについては島津専用で,他社GCMSでは利用できないのでしょうか?

A : データベース自体は,弊社の装置のみに対応しており,データベースを用いたメソッド作成や解析は他社の装置では使用することはできません。一方で,データベースに登録された保持指標やイオン情報,官能情報は,参考情報として使用いただくことはできます。

Q : データベースは他社の装置で測定した結果などに適用できますでしょうか。また,ほかのソフトからデータベースを参照などの関連付けなど可能でしょうか。

A : データベース自体は,弊社の装置のみに対応しており,データベースを用いたメソッド作成や解析は他社の装置では使用することはできません。一方で,データベースに登録された保持指標やイオン情報,官能情報は,参考情報として使用いただくことはできます。

Q : ご紹介いただいたデータベースは島津さんのものであれば既存のGCMSで活用できるものですか。その場合どのように運用できるのでしょうか。

A : 対応装置かの確認は必要ですが,データベースをインストールいただくことで,既設の装置でも同じように使用いただくことができます。

Q : 発表にありました各種DBは,既に測定済みのデータに適用できますか?

A : 測定済みのデータはカラムや条件が異なるため,適応するのは難しいかと思われます。一方で,データベースに登録された保持指標やイオン情報,官能情報は,参考情報として使用いただくことはできます。

Q : スマートデータベースは,通常のNISTライブラリーと同じような感じで,手軽に扱えるものでしょうか?それとも専用のソフトが必要でしょうか。

A : はい,基本の解析ソフトウェアでご使用いただけます。データベース自体は,分析・解析メソッドを作成するものになります。また,ライブラリも入っておりますので,NISTライブラリと同様に使用することも可能です。

Q : 2,定性の際,シミラリティ検索の信頼性はどの程度ですか?

A : データベースに登録されたマススペクトルは弊社装置で採取したものなので,シミラリティ検索のマッチ率は非常に良いものとなっております。

Q : 半定量はどのような仕組みで行っているのでしょうか。

A : 糖類専用の分析メソッドには,予め検量線情報を登録しています。内部標準としてリビトールを規定量添加するだけで試料中に含有している24種類の糖類のおおよその定量値を算出することができます。

Q : 定量できるということは検量線データが内蔵されているものと思われますが,検量線の範囲を超えた場合は,自動的に希釈して測定されますか。

A : 半定量機能ですが,あくまで大まかな濃度を算出する機能になっております。半定量機能では精密な濃度算出は想定しておりませんので,自動希釈には対応しておりません。

Q : 糖の定量ができるようになったのは分かりましたが,香気成分の定量は行えますか?

A : はい,Smart Aroma Databaeには半定量機能が備わっており,半定量を行うことができます。

Q : 代謝物データと,におい成分を紐づけたいのです。島津機器で取得したデータセットでのみ,可能でしょうか?においは島津GC-MS,代謝物は他社のMSです。

A : それぞれの装置で解析したデータセットをExcel形式などの表形式のファイルに出力することで,SIMCAなどの多変量解析ソフトで紐づけて解析することが可能です。

Q : 最も高感度なメソッド(MRMで合っていますでしょうか。)はどの程度低濃度まで検出できるのでしょうか。

A : 前処理や化合物,マトリックスにもよりますが,ppbオーダー,場合によってはpptオーダーまで検出できる場合もございます。

Q : DBは順次updateされますでしょうか?

A : 追加成分の要望などを元に,今後のバージョンアップも検討いたします。

Q : 同じカラムでもメーカーの違いによってデータベースの検出精度が変化したりしますでしょうか

A : 同じ種類のカラムであっても,メーカーや品番が異なると,特性が微妙に異なる場合がございます。データベースでは基本的に指定したメーカー及び品番のカラムをご使用いただくことを推奨しております。

Q : SPME及びSPME Arrowを使用する分析で破過について留意することはございますか?

A : SPMEやSPME Arrowは,動的な捕集方法ではないため,原理上,破過について留意する必要はございません。

Q : におい嗅ぎGCシステムを活用する際,香気成分の捕集はSPME Arrowで感度は十分足りますか?また,SPMEは選択的抽出と理解していますが,実際のヘッドスペースとの乖離の影響はどのように対応されていますか?

A : SPME Arrowは,従来のSPMEでは苦手な成分も捕集できるため,匂い嗅ぎGCでも効果的にご使用いただけます。

Q : SPME arrowだと担体体積が大きくなっていると思いますが,コンディショニングに時間がかかったり,キャリーオーバーしやすくなるようなケースはあるのでしょうか。

A : 推奨のコンディショニング時間は,SPMEとSPME Arrowで違いはありません。キャリーオーバーについても,気相抽出を行う限り,問題にはなりません。一方で,SPME Arrowは液体サンプルに浸けて抽出する浸漬抽出も可能になっております。浸漬抽出の場合は,キャリーオーバーしやすくなりますので,コンディショニング時間を長くする,溶媒での洗浄ステップを入れるといったことをお勧めします。

Q : SPME or SPME Arrowは何回使用できるか?

A : 分析内容にもよりますが,SPMEは50~100回程度,SPME Arrowは300回程度ご使用いただけます。

Q : 福崎先生の講演について:非常に多くの情報が参考となりました。聞き逃したかもしれませんが,Trisの濃度を教えてください。

A : 4mol/LのTrisをサンプルに添加してpHを調整しております。詳細は,弊社テクニカルレポート及び原著論文をご参照いただけます。
・テクニカルレポート
https://www.an.shimadzu.co.jp/gcms/support/lib/pdf/c146-0405.pdf
・原著論文
https://doi.org/10.1016/j.jbiosc.2021.03.014

Q : トリスヒドロキシメチルアミノメタンの活用法について,もし参考の文献があればご教示頂きたい。SPMEにおいて夾雑物の問題は非常に厄介だと考えているので,この部分を深堀して説明する資料があれば幸いです。

A : 弊社テクニカルレポート及び原著論文をご参照いただけます。
・テクニカルレポート
https://www.an.shimadzu.co.jp/gcms/support/lib/pdf/c146-0405.pdf
・原著論文
https://doi.org/10.1016/j.jbiosc.2021.03.014

Q : DMI法に関するアプリケーションに関してはGLサイエンスに確認した方が良いのでしょうか。

A : 弊社でもDMIに関するアプリケーションをご用意しておりますので,ご参照いただけます。
https://www.an.shimadzu.co.jp/gcms/optic/applications.htm

Q : OPTIC-4には他にどのようなモードがあるのでしょうか?

A : 弊社Webサイトで,OPTIC-4を用いた様々な分析モードでのアプリケーションを紹介しております。是非ご参照ください。
https://www.an.shimadzu.co.jp/gcms/optic/applications.htm

Q : OPTIC-4のDMIモードを活用した分析がとても興味深かったのですが,同様の分析をSPME Arrowなどで分析することは可能でしょうか。もちろん工夫次第で可能だとは思うのですが…DMIモードを初めて聞いたので,他の分析方法との違いがわからず,初歩的な質問となってしまい申し訳ありません。

A : SPME Arrowではバイアル内で発生した揮発性成分を吸着剤に捕集して分析します。DMIの場合は,サンプルを注入口で直接加熱して成分を導入します。サンプルの加熱温度が100℃程度以下であれば,SPME Arrowでの高感度な香気分析が可能です。
弊社Webサイトに,DMIをはじめとしたOPTIC-4を用いた様々な分析モードの分析例をご紹介しておりますので,ご参照ください。
https://www.an.shimadzu.co.jp/gcms/optic/applications.htm

Q : Optic-4のセッションについて
・サンプルを直接加熱すると水分の影響はどの程度出てきますか?
・TDはTENAXやカーボンのような固相の脱離にしか使えないイメージですが,Optic-4だとインサートに入れば測定はできる認識でしょうか

A : ・水系のサンプルをDMIする際は,水の影響でピーク形状が乱れる可能性があります。サンプル量を減らしたり,低温での水分パージなどを行ってカラムへの導入を実施することで,水の影響は少なくなります。目的成分の感度が足りない場合はクライオフォーカスを併用すると効果的です。
・OPTIC-4はTenaxなどの加熱脱離の他に,DMIを用いた直接加熱や熱分解を行うことができます。弊社Webサイトに,OPTIC-4を用いた様々な分析モードの分析例をご紹介しておりますので,ご参照ください。
https://www.an.shimadzu.co.jp/gcms/optic/applications.htm

Q : 固体サンプルのヘッドスペース分析において,内部標準物質をどのような方法で添加しているかお教えいただけないでしょうか。

A : 固体サンプルに直接添加する方法になります。ただし,添加する場所や量で再現性が異なる可能背が高いため,確認してもらってからの運用をお勧めします。また,添加する量はなるべく少なくしたほうが,再現性などが良くなります。

Q : 臭い嗅ぎGCのにおいかぎポートに関して,他社さんと比較してどのような優位性がありますでしょうか?

A : 弊社ではジーエルサイエンス様の匂い嗅ぎ装置OP275をご案内しております。OP275は,コールドスポットがなく,またトランスファーラインをプログラム昇温できるため,精度の高い匂い嗅ぎを行うことができます。

Q : においかぎGCで新規香成分を汚物から発見できると聞いたことがあるのですが,どうでしょうか?

A : 匂い嗅ぎGCでは,MSで検出できない成分も検出できる場合があります。データベースの高感度なMRMモードなどと組み合わせることで,においかぎGCで匂いを感じた成分にアプローチすることも可能です。

Q : 機器購入ではなく,分析依頼をできる機関はありますか?

A : 島津テクノリサーチで受託分析を承っております。
https://www.shimadzu-techno.co.jp/