OPTIC-4

アプリケーション例

1.シャンプー中の1,4-ジオキサン
2.衣服からのにおい
3.製品からの異臭
4.樹脂の熱分解
5.樹脂の反応熱分解
6.自動車内の雰囲気ガス
7.樹脂の添加剤
8.食品からのにおい成分

1.シャンプー中の1,4-ジオキサン  (DMI,熱抽出)

発ガン性が疑われる1,4-ジオキサンは,化粧品に不純物として含まれることがあります。DMIモードを用いて,シャンプー中の1,4-ジオキサンの定量について検討しました。ピークをシャープにするためにクライオトラップを用いました。
注入口の温度を最適化することによって,シャンプーに含まれカラムの汚染の原因となる高沸点の夾雑物をカラムに導入することなく,簡便な前処理で1,4-ジオキサンを定量できました。このモードは熱抽出を利用し,前処理を簡便化するのに有効です。

SIMクロマトグラム

 

シャンプーに1,4-ジオキサンを濃度が3.6 ppmになるように添加して得られたSIMクロマトグラムを左図に示します。
右図に示した4-dioxane-d8のSIMクロマトグラムをもとに定量した結果は3.6 ppmでした。

2.衣服からのにおい  (MonoTrap,加熱脱着)

生活臭の対策には,におい成分を分析することが重要です。MonoTrap-加熱脱着モードを用いて,着用直後の靴下の揮発成分を分析しました。 着用直後の靴下とMonoTrapをサンプルバッグに入れ,サンプリングしました。ピークをシャープにするためにクライオトラップを用いました。このモードを用いると,簡単な操作で衣服からの臭いなどの揮発性成分を濃縮し,高感度で検出することができます。

 


トータルイオンカレントクロマトグラム

1=Hexanal
2=Heptanal
3=Octanal
4=6-Methyl-5-heptene-2-one
5=Nonanal
6=Dichlorobenzene
7=Dodecanal
8=Decanal
9=Propylene Glycol
10=trans-Geranylacetone
11=Muskalactone
12=Benzyl salicirate

3.製品からの異臭  (MonoTrap,加熱脱着)

異臭の問題を解決するためには,原因物質の特定が必要です。 MonoTrap-加熱脱着モードを用いて,電化製品の樹脂製部分からの消毒臭の原因物質を特定しました。異臭を放つ筐体から部材を削り取り,MonoTrapと一緒にバイアル瓶に入れ,異臭成分を抽出・濃縮しました。 異臭原因物質として臭気閾値が低い2,6-ジブロモフェノール(2,6-DBP)を検出することができました。このモードを用いると,臭気閾値の低い成分でも簡便に濃縮し,検出することができます。
参考: http://nioikoubou.analyzejnet.com/column/column_13.htm

マスクロマトグラム

4.樹脂の熱分解  (DMI,熱分解)

熱分解ガスクロマトグラフィーは,樹脂の構造解析に有効です。熱分解では熱分解生成物が二次反応しないように,試料を急速加熱する必要があります。本システムは600 ℃まで60 ℃/sで急速加熱できるため,瞬間加熱による熱分解装置に相当するデータを得ることができます。このモードを用いて,ポリカーボネート樹脂を分析しました。ビスフェノールAなど多数のフェノール系の化合物が検出され,瞬間加熱による熱分解装置と同等の結果でした。

 

 

熱分解トータルイオンクロマトグラム

1=phenol
2=p-cresol
3=p-ethylphenol
4=p-vinylphenol
5=p-isopropylphenol
6=p-tert-butylphenol
7=p-isopropenylphenol
8=p-hydroxy-2,2-diphenylpropane
9=p-hydroxy-3-methyl-2,2-diphenylpropane
10=bisphenol A

5.樹脂の反応熱分解  (DMI,反応熱分解)

反応熱分解GC-MS法(Thermal assisted Hydrolysis and Methylation-GC/MS; THM-GC/MS)は,熱分解により極性化合物を生じる樹脂試料の構造解析に有効です。THM-GC/MSは試料を加熱しながらアルカリ加水分解し,生成物をメチル誘導体化しGC/MSで測定します。本システムは不活性なガラス製マイクロバイアル中でのTHMが可能です。このモードでポリカーボネート樹脂を分析しました。加水分解により生じたビスフェノールAの2つの水酸基のうち,1つがメチル化された化合物と2つが共にメチル化された化合物が検出されました。

反応熱分解のトータルイオンクロマトグラム

6.自動車内の雰囲気ガス  (固体吸着,加熱脱着)

自動車室内の環境に配慮するため,車中揮発性有機化合物(VOCs)の低減への取り組みがなされています。固体吸着-加熱脱着モードにより車中VOCsを分析しました。車中の空気を捕集剤が充填されたライナーに通気しました。その後,本システムを用いてライナーを加熱し,脱着した成分を分析しました。低沸点成分も対象とするため,クラオトラップを用いました。トルエン,エチルベンゼン,キシレンなどが検出され,直射日光によって加熱された樹脂から気化したフタル酸ジブチルも検出されました。このモードは,ガス中の微量成分を分析するのに有効です。


トータルイオンクロマトグラム

 

1=Toluene
2=Ethylbenzene
3=m-,p-Xylene
4=Styrene
5=o-Xylene
6=p-Dichlorobenzene
7=2-Ethyl-1-hexanol

 

8=Nonanal
9=Menthol
10=Decanal
11=Tridecane(C13)
12=Tetradecane(C14)
13=Hexadecane(C16)
14=Di-n-butyl phthalate(DBP)

 

 

7.樹脂の添加剤  (DMI,熱抽出)

RoHS指令で4種類のフタル酸エステル類(フタル酸ジイソブチル(DIBP),フタル酸ジブチル(DBP),フタル酸ブチルベンジル(BBP),フタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHP))の使用が制限されます。樹脂中のフタル酸エステル類分析では前処理として,スクリーニングには熱抽出が,精密定量には溶媒抽出-溶液試料注入がそれぞれ用いられます。樹脂試料をDMI-熱抽出により分析しました。また,本システムは,熱抽出と溶液試料注入法を自動で切り換えることができます。そのため,面倒なシステム切り換えをせずにスクリーニングと精密定量に適用できます。


RoHS指令規制フタル酸エステルのSIMクロマトグラム

 

1=DIBP
2=DBP
3=BBP
4=DEHP

8.食品からのにおい成分  (MonoTrap,加熱脱着)

においは食品のおいしさの重要な要素のひとつです。MonoTrapとPDMSを用いた吸着素子を用いて,ブルーチーズからの揮発成分を捕集し加熱脱着し分析しました。MonoTrapはPDMSを用いた吸着素子に比べ,検出ピーク数も多く,また高感度で分析することができました。このモードを用いると,食品からのにおい成分など微量成分を高感度で検出できます。


ブルーチーズからの揮発成分をMonoTrap(上)およびPDMS抽出(下)で濃縮し得られたトータルイオンクロマトグラム

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