微細藻類の海水培養液中のTOC・TN同時測定
微細藻類の海水培養液中のTOC・TN同時測定
さまざまな非可食性バイオマスの中で近年特に注目されているものに微細藻類があります。とりわけ海水に生息する微細藻類は,培養場所の選択肢が広いうえ培養液が安価に得られるなどの点で実用化に有利といわれています。
こうした微細藻類の培養液に添加される窒素化合物などの栄養塩は,適度な濃度に管理することが必要です。
培養液中のバイオマス量(炭素量)と窒素量の測定に,TOC計を役立てることができます。
サンプル調製
海水に,炭素としてフタル酸水素カリウムを,窒素として硝酸カリウムをそれぞれTOC,TNとして25 mg/L,50 mg/L,100 mg/L,150 mg/Lとなるよう添加しました(試料(1)~(5))。
全窒素ユニットTNM-Lを備えたTOC-LCPHによりこれらの試料をTOC・TN同時測定した結果をTable 1およびFig. 1に示しました。海水は約3 %の塩類を含みますが,その影響を受けることなくTOCとTNを精度よく測定できていることがわかります。

Fig. 1 測定結果
Table 1 測定結果
試料 | TOC測定値 [mgC/L] |
TN測定値 [mgN/L] |
---|---|---|
試料(1)(海水のみ) | 1.05 | 0.21 |
試料(2)(25 mg/L添加) | 25.8 | 24.7 |
試料(3)(50 mg/L添加) | 51.7 | 49.1 |
試料(4)(100 mg/L添加) | 102.1 | 101.2 |
試料(5)(150 mg/L添加) | 151.4 | 152.8 |
→ アプリケーションニュース O52「微細藻類の海水培養液中のTOC・TN同時測定」(ログイン要)
![]() |
微細藻類バイオマス測定用TOC-L
微細藻類バイオマス測定用TOC-L は,微細藻類のような懸濁物が含まれる試料でも,懸濁物の沈降による影響を最小限に抑えて精度よく測定することができる全有機体炭素計です。しかも,海水のような塩濃度が高い試料でも希釈することなく測定することができます。