脳イメージング研究例:fNIRSとfMRIとの比較
fNIRS は、脱酸素化Hbだけでなく酸素化Hbや血流量の変化をも計測できるため、賦活脳酸素代謝や血行動態が正常と異なる疾患例における脳機能イメージングに適しています。 現在、BOLD-fMRI は脳機能イメージングの主流となっていますが、fNIRS との併用により、病的状態での脳機能をより正確に画像化できると期待されます。
正常成人におけるBOLD-fMRI(A)とfNIRS(B)との比較です。
A : fMRIによる計測
運動負荷(grasp:手を握る動作)により、反対側の運動野に活動領域が明瞭に示されています。
下段のBOLD*信号はタスク時(青)に上昇が見られます。
B : fNIRSによる計測
運動負荷時の脱酸素化、酸素化Hbの二次元マッピングの結果を示します(MRI画像に重ねて表示)。
下段は運動野(丸印)の酸素化Hb・脱酸素化Hbの変動を示します。
タスク(40秒)に伴い、酸素化Hbと総Hbとが上昇、脱酸素化Hbが低下していることが分かります。
*BOLD : Blood Oxygen Level Dependent
また、fNIRSは、電気ノイズや磁場の影響を受けず、また測定時の体位制限が少ないため、BOLD-fMRIを使用できない症例、例えば、金属電極等を用いる深部脳刺激療法(DBS)中の患者に対しても脳機能計測が可能です。
*本データはFOIRE/OMMシリーズを用いて取得したものです。