エンジンオイルの凝固と融解,測定/DSC

エンジンオイルは潤滑作用だけでなく,密閉作用や冷却作用,腐食防止や洗浄作用など様々な役割を担ってエンジンを守る働きをしています。 
このエンジンオイルの分類方法の一つに粘度による分類があります。粘度にはSAE(米国自動車技術者協会Society of Automotive Engineers)で定めた分類があり,そのオイルがどの程度の外気温で使用できるかを判断する目安になります。

エンジンオイルの凝固と融解の差を熱分析装置 示差走査熱量計DSCを用いて測定しました。エンジンオイルを室温から-120℃まで冷却して固化させた後,室温まで加熱して融解させました。
このエンジンオイルは約-20℃から凝固し始め,約-98℃で完全に固化しました。昇温過程では約-91℃から約-10℃にわたり広範囲で融解が起こっていることが分かります。

エンジンオイルのDSC曲線

示差走査熱量計DSC-60示差走査熱量計DSC-60

示差走査熱量計

新開発高感度ディテクタにより、従来比約2倍のピーク高さを達成しました。ノイズレベルは、1μW(RMS)以下で、冷却測定がオプションなしで可能です。ディテクタが自動クリーニングできます。