SPM法を用いたCFRPの微視的解析

極微小領域の熱物性評価に

『微小部熱分析試験装置複合型SPMシステム SPM+nano-TA2』は走査型プローブ顕微鏡手法を応用した、新しい手法です。サブミクロン領域のガラス転移温度や融解温度の解析に用いられる他、熱伝導性の解析にも使用することが出来ます。

<CFRP微視的解析例>
CFRP(下記光学写真)等複合材のファイバー部のみ、または樹脂部のみの熱物性値を得たい場合に、従来の熱分析試験法ではプローブ径や試験位置指定精度の点より適用出来ません。本システムを使用すれば、可能となります。(試料:UD 積層板 [0]2

下記光学像における中央樹脂部の試験を実施しました。

CFRP断面図(光学像)

CFRP断面図(光学像)

AMF像(右),微小部熱機械特性曲線(左)

AMF像(右),微小部熱機械特性曲線(左)

AFM 像(上右図)の十字状に配列された痕跡が試験箇所です。
CF(Carbon Fiber)を避けて樹脂部のみの試験が出来ていることを示すと共に試験結果(上左グラフ)より樹脂との距離によりガラス転移温度が異なることが分かります。

*独)宇宙航空研究開発機構 複合材グループ様との共同研究により実施


『微小部熱分析試験装置複合型SPMシステム SPM+nano-TA2』

微小部熱分析試験装置複合型SPMシステム SPM+nano-TA2

微小部熱分析試験装置複合型SPMシステム SPM+nano-TA2

 

試料表面の三次元形状像観察と,ピンポイント熱分析を行います。これまでの熱分析装置ではできなかった、サブミクロンの極微小領域や最表面のみの熱特性の解析が可能になります。
 <システムの特長>
 ・サブミクロン領域の熱特性解析が可能。
  先端径50nm以下のプローブを使用するため,極微小領域の試験可能。
  また、表層近傍のみの試験可能。
 ・AFM画像より試験箇所を指定可能。
  圧電素子による位置決めのため高精度。
 ・昇温速度最高60万℃/min。
  従来の熱分析試験法より格段に高速。

*本システムは(株)島津製作所製 走査型プローブ顕微鏡SPM-9700と(株)日本サーマルコンサルティング殿ご提供のナノサーマルアナリシスシステムnano-TA2を複合した解析システムです。