炭素繊維強化プラスチックの有孔引張強さ試験【規格番号 JIS K 7094:2012(参考規格ASTM D5766:2010)】

はじめに

近年、機械的な信頼性を要求される構造体の部材に対して従来の金属材料から軽量な代替材料への部材転換が進められています。その主な理由としては、製品を軽量化することで輸送質量が削減され、製品輸送に伴う二酸化炭素排出量を軽減できることが挙げられます。炭素繊維を使用したCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic)などの繊維強化複合材料は、その卓越した強度と軽さを特長として、今や航空機材料として多用され、今後は軽量化を目的として自動車をはじめとしたあらゆる製品へ適用拡大されると考えられています。
本稿ではCFRPの強度試験方法として広く用いられている有孔引張強さ試験の事例をご紹介します。

測定・治具など

CFRPは高い引張強度を示し、強い破壊衝撃を発します。試験の際にはサンプルの最大試験力に対して十二分に容量の大きい試験機,治具を使用することを推奨いたします。
本試験については、寸法L(mm)×W(mm)×T(mm) = 150×36×2.5、孔径 6mm、積層方法[45/0/-45/90]2sのサンプルにて測定を実施しました。

測定結果

Fig.1 試験の様子

Fig.2 応力と変位の関係

[ Table 1 試験条件 ]

項目 設定値
試験速度 1.5mm/min
つかみ具間距離 70mm

[ Table 2 試験結果 ]

サンプル 有孔引張強さ
CFRP有孔試験片 657.0MPa

Fig.3 破壊後のサンプル

炭素繊維強化プラスチックの有孔引張強さ試験システム

試験機 AG-Xplus
ロードセル 100 kN
試験治具 100 kN用定位置くさび式つかみ具
複合材料用台形やすり目歯
ソフトウェア TRAPEZIUM X(シングル)

床置形精密万能試験機 AG-Xplus

試験サイクルタイムを短く
5kN以下の卓上形はリターン速度3300mm/min、クロスヘッド速度3000mm/min で駆動するHSタイプを選択いただけます。ゴム等のよく伸びる試験片の場合、試験のサイクルタイムを短くできます。

短柱タイプ(SC形)のラインナップ追加
電気・電子部品など小物部品の試験、圧縮試験を行われる場合に適しています。試験高さが1130mm なので、天井の低い部屋への設置が可能です。試験空間は700mmになります。

待機時省電力化で,環境負荷低減を進めます
世界的にCO2削減が必要となっております。AG-Xplusは待機時の消費電力を削減し、環境負荷低減に貢献します。フレーム容量により約10~25%の消費電力を削減します。
 

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静的材料試験機用ソフトウェア TRAPEZIUM X

直感的な操作でお使いいただけます。

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