プルタブ容器の引張試験 【規格番号:JIS S 0022:2001】

はじめに

現在,日本の高齢化は世界に例を見ない速度で進行しており,今後も高齢化が進むと考えられます。高齢者の中には握力が低下し,食品,日用雑貨品などに用いられている包装・容器を開けられないことがあります。そのような要望にこたえるために試験方法が規定されています。今回はさまざまな缶のプルタブ容器の引張試験を行いました。

測定・治具など

Fig.1 試験の様子
Fig.1試験の様子

試験条件をTable 1に,試験の様子をFig.1に示します。規格では,缶を手で固定するとの記載がありますが,より安定した結果を出すために,固定治具を用いました。プルタブにはひもをかけて500 mm/minの速度で真上に引き上げています。

Table 1 試験条件

項目 設定値
試験速度 500 mm/min
ロードセル容量 500 N

 

測定結果

Fig.2 試験力とストロークの関係
Fig.2 試験力とストロークの関係

Table 2 試験結果

サンプル 最大開封力 [N]
缶ビール(日本製) 26.8
缶ビール(日本製,飲み口大) 30.8
缶ビール(メキシコ製) 26.5
缶ビール(オランダ製) 27.2
缶ビール(ベルギー製) 22.4

 

プルタブの引張試験システム

試験機 EZ-X
ロードセル 500 N
試験治具 固定台,フック
ソフトウェア TRAPEZIUM LITE X

小型卓上試験機 EZ Test

軽量・コンパクト
机の上に無理なく収まるコンパクトサイズです。オフィスの片隅で試験できます。

高精度ロードセルを採用(高精度形は1級,標準型は0.5級)
ロードセル定格の1/500~1/1の広い保証範囲。信頼性の高い試験評価をサポートします。

ジョグコントローラ(オプション)
クロスヘッドの位置を手元で操作できます。ジョグダイヤルを用いることで微小な位置調整が可能です。

充実した専用治具
食品・医薬品や電機電子・プラスチックなどの多くの分野にわたる専用治具とアプリケーションで,お客様の様々なニーズをサポートします。
 

TRAPEZIUM LITE X

オペレーションソフトウェア TRAPEZIUM LITE X

効率を高めるシンプルなソフトウェアです。