食肉の種類判別(鑑別)

DNA/RNA分析装置による食肉の種類判別(肉種鑑別)

欧州で牛肉加工食品に,安価な馬肉を混入させる不正が相次いで発覚し,DNA検査など緊急対策に乗り出しています。この例に限らず,近年の食の安全に対する消費者意識の向上にともない,食肉製品に含まれる食肉種を正確・簡便・迅速に品種判別,品種判定(肉種鑑別)する方法が求められています。DNA/RNA分析用マイクロチップ電気泳動装置を用いて分析すれば,迅速に肉種を鑑別することが可能です。
今回は,鶏肉,牛肉,羊肉,豚肉,馬肉を分析しました。

<結果>
鶏肉由来の218bp,牛肉由来の268bp,羊肉由来の331bp,豚肉由来の359bp,馬肉由来の430bp のフラグメントが明瞭に分離され,それぞれの肉種を鑑別することができました。
分析モード: DNA-500 プレミックス

食肉 5 種の Ampdirect ® 増幅産物分析結果(MultiNA ゲルイメージおよびエレクトロフェログラム)

食肉5種のAmpdirect増幅産物分析結果
(MultiNAゲルイメージおよびエレクトロフェログラム)

 

混合比を変えた食肉 3 種の Ampdirect ® 増幅産物分析結果

混合比を変えた食肉3種の Ampdirect増幅産物分析結果

サンプル調製フローと反応温度条件

サンプル調製フローと反応温度条件

PCR プライマー:松永らの論文(日本食品科学工学会誌, 46(3), 187, 1999)を参考にして,塩基配列に若干の改変を加えたものを用いています。

試薬:

  • Ampdirect(島津製作所) P/N 241-08890-92
  • DNA-500 Reagent Kit for MultiNA (島津製作所) P/N 292-27910-91
  • SYBR®Gold nucleic acid gel stain (インビトロジェン) S-11494
  • 25bp DNA ラダー (インビトロジェン) 10597-011

詳細データや,DNA/RNA分析用マイクロチップ電気泳動装置,MultiNAを使った関連データは
アプリケーションニュースでご紹介しています。

アプリケーションノートでも、関連アプリケーションとして以下ご紹介しています。

マイクロチップ電気泳動システム

マイクロチップ電気泳動システム

マイクロチップを用いた電気泳動法により,DNAやRNAのサンプルを大きさによって分離し,DNAやRNAの核酸サンプルのサイズ(大きさ)確認やおおまかな定量を行います。マイクロチップを用いることによって電気泳動分離を高速に,蛍光検出により高感度に,しかも全自動で分析することができる電気泳動システムです。