地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量を削減することは世界的な課題であり、排出されるCO2を吸収するネガティブエミッション技術(NETs)の研究が進められています。NETsはダイレクト・エア・キャプチャ(DAC)や生物機能利用等の技術により回収、吸収したCO₂を貯留、固定化することで、実質マイナスのCO2排出量を達成する技術です。鉱物などの岩石を粉砕し表面積を大きくすることにより風化を人工的に促進させ、風化の過程で大気中のCO2を吸収して炭酸塩化する風化促進技術の研究が進められています。​ この風化促進技術の評価には、岩石などが炭酸塩化により吸収したCO2量を定量することが必要です。TOC固体試料測定システムを使用して、岩石の成分である炭酸塩中のCO2の量を無機体炭素(IC)測定により評価した例をご紹介します​。

 

今回、風化促進技術でCO2を吸収させた試料として市販の炭酸塩試薬を準備し、IC測定をおこなった結果を示します。 分析方法、分析条件などは、こちらのアプリケーションニュースをご覧ください。

風化促進技術におけるCO2固定化量の評価

 

アプリケーションニュース「風化促進技術におけるCO2固定化量の評価」はこちらからダウンロードいただけます。​

 

全有機体炭素計(TOC)

全有機体炭素計(TOC)は、水中の有機物質の炭素量を測定する機器です。水道水などの水質管理を始めとしたさまざまな分野で活用されています。TOC-Lシリーズは4μg/L~30,000mg/Lの超ワイドレンジで試料を測定でき、超純水から高汚濁水まで測定することが可能です。

固体試料燃焼装置 SSM-5000A

TOC-Lシリーズと組み合わせることで,水試料をはじめ、土壌、汚泥、堆積物など種々の固体試料中のTOC測定を可能にする装置です。通常の固体試料における測定作業では、試料からの有機炭素成分の抽出作業が必要になりますが、SSM-5000Aを導入することで固体試料をそのまま測定できるので、迅速かつ簡便で、より正確な測定が可能です。