材料破壊面の定量評価と破壊形態解析 / OLS

レーザー顕微鏡を用いて、材料破壊面の定量評価と破壊機構の種別を明らかにすることを試みた。

図1は、高温破壊の破断面の3次元観察と断面プロファイル計測結果である。断面プロファイルより、き裂は周期凹凸を形成していることが確認でき、この凹凸の1セグメントの長さ(破壊単位と定義)と結晶粒径との関係から破壊形態を類推した。

その結果、破壊単位(Fracture Unit Area:FA)は210μmとなり、結晶粒径(d)200μmと同程度であった。このことより、FA=d、つまり本材料の破壊機構は結晶粒界割れと考えることができる。

一方、図2に示す破断面では、周期凹凸の1セグメントの長さから破壊単位を計測すると945μmであった。この破断面では、FA>dより、破壊機構は、特徴的な破壊単位割れと考えられる。

 

杉浦隆次、横堀壽光、高森新樹、田渕正明、富士彰夫、依田満夫、小林謙一、横堀武夫、日本金属学会誌、70,5(2006)452-460
>AFMを用いた高温強度材料のマルテンサイトラス組織構造解析

 

3D測定レーザー顕微鏡

3D測定レーザー顕微鏡 OLS5000

3D測定レーザー顕微鏡

3D測定レーザー顕微鏡OLS5000の外観を示します。この装置は波長405 nmのレーザー光と白色LED光を使用することにより高分解能なレーザー観察像とカラー像が得られます。さらに三次元形状(3D)計測や粗さ測定を非接触で行うことができます。
レーザー顕微鏡(LSM)はさまざまな材料表面の高分解能観察と形状評価を大気環境下で簡単に行なえます。さらに試料が損傷しない条件まで入射レーザー強度を小さくしても十分な感度で表面観察が行なえます。