シリコン系材料の結晶面のナノスケール欠陥のレーザー微分干渉観察 /OLS,SFT
シリコン系材料の結晶面のナノスケール欠陥のレーザー微分干渉観察 /OLS,SFT
レーザー微分干渉(DIC)観察
レーザーDIC観察は,微小な段差,うねり,傷をリアルタイムで探すことができる手法です。原理図をFig.1に示します。レーザーDIC観察は光路中にウォラストンプリズム(複屈折素子)を挿入し,入射レーザー光を2本の細い平行光に分け,試料に照射します。2本に別けられたレーザー光による反射は試料の段差などの勾配がついている部分で位相に差が生じます。2本の反射光を合成し,位相差に応じた干渉をおこさせることで,画像に立体感のある明暗のコントラストを得ることが出来ます。
DIC:Differential Interference Contrast Microscopy
シリコン系材料の結晶面の欠陥の観察
シリコン系材料の結晶面に生じたナノメートルレベルの欠陥のレーザーDIC観察とAFM観察を行なった事例を紹介します。結晶面を通常のレーザー観察(LSM)で行なったときの像をFig.2(A)に示します。おなじ場所のレーザーDIC観察による像をFig.2(B)に示します。通常のLSM観察では捉えられなかった微小な欠陥をレーザーDIC観察で明瞭に捉えられています。ナノサーチ顕微鏡SFTを用い,レーザーDIC観察で見出した欠陥を走査型プローブ顕微鏡(SPM)により高さ像を得ました。欠陥の詳細な姿を捉えたSPM高さ像をFig.3に示します。レーザーDIC像が数ナノメートルの形状を捉えている像であることがわかります。
3D測定レーザー顕微鏡
3D測定レーザー顕微鏡OLS5000の外観を示します。この装置は波長405 nmのレーザー光と白色LED光を使用することにより高分解能なレーザー観察像とカラー像が得られます。さらに三次元形状(3D)計測や粗さ測定を非接触で行うことができます。
レーザー顕微鏡(LSM)はさまざまな材料表面の高分解能観察と形状評価を大気環境下で簡単に行なえます。さらに試料が損傷しない条件まで入射レーザー強度を小さくしても十分な感度で表面観察が行なえます。