多機能熱分解システム(熱分解ガスクロマトグラフィー)

GCMS-QP2020シリーズ,GCMS-QP2010シリーズ,GCMS-TQシリーズ用

GCに直接導入できない高分子材料や不溶性材料などの広範囲な試料を分析可能にする多目的なシステム

熱分解システム

熱分解ガスクロマトグラフィー(Py-GC)は,ポリマー,プラスチック,ゴム,塗料,染料,樹脂,コーティング,セルロース,木材,繊維などあらゆる形態の不溶性材料や複合材料の微量な試料を通常の前処理を行うことなく分析することが可能です。

試料を直接導入,クロマト分離させるので,微量の試料で,他の手法では得難い特色のある詳細な情報を得ることができます。

* マルチショット・パイロライザーEGA/PY-3030Dは,フロンティア・ラボ社が開発した縦型小型加熱炉を用いた多機能パイロライザーシリーズの最高級モデルです。

未知成分キャラクタリゼーションのための4つの分析法

非常に複雑な試料のキャラクタリゼーションを行うために熱分解システムには,4つの分析法が用意されています。

1. 発生ガス分析 (EGA-MS)法

発生ガス分析(EGA-MS)法では,固定相のない短くて内径の小さな不活性キャピラリーチューブ(例えば,2.5 m, 0.15 mm i.d.)を用いて,GC気化室とMS検出器を直接接続します。試料をある温度範囲(例えば,40 – 800 ℃)で昇温すると,発生ガスがクロマト分離せずに検出器へ流れ込みます。その結果,その試料についての示差熱重量曲線のようなEGAサーモグラムが得られます。

2. シングルショット分析 (Py-GC/MS)法

シングルショット分析 (Py-GC/MS)法では,試料を加熱された高温の熱分解炉へ自由落下で導入させるので,20 msec以下の短い時間で試料温度は常温から熱分解温度に上昇し,試料は瞬時で熱分解されます。生成した熱分解物は2次反応をおこさず,分離カラムに導入され分離分析されます。

3. ダブルショット分析 (TD/Py-GC/MS)法

ダブルショット分析(TD/Py-GC/MS)法では,残存モノマーや添加剤などの揮発成分と試料のポリマー成分の両方の情報が得られます。試料の分析は2段階で行います。

STEP1: 熱脱着ステップ(TD-GC/MS)では,試料をある温度範囲で加熱し,揮発成分を発生させます。発生した化合物は分離カラムの入り口でトラップされ,パイロライザーの昇温プログラム終了後,分離分析されます。
STEP2: 熱分解ステップ(Py-GC/MS)では残渣成分を,EGAサーモグラムから決定された温度で,熱分解させます。パイログラムにより,試料のポリマー成分を同定できます。

4. ハートカット分析 (EGA-GC/MS)法

ハートカット分析(Heart-Cut EGA-GC/MS)法は,複雑な試料の成分を決定し,詳細な分析をするのに有用なテクニックです。この方法では,発生ガス(EGA-GC/MS)法でサーモグラムを採取しますが,興味のある温度分画で個別に分析できます。ハートカットにより,この温度分画で発生した成分を選択的に分離カラムに導入し,カラムの入り口でトラップ後,それから分離分析します。
この方法を用いると,ミネラルオイル中の添加物分析といった複雑な試料中でのターゲット化合物の分析だけではなく,ポリマーの詳細なキャラクタリゼーションも行えます。
 

マルチショットパイロライザー EGA/PY-3030Dの特長

  • 急速昇温 (600 ℃/min) と急速冷却(100 ℃/min)
  • 最大 1050 ℃での熱分解
  • 厳密な温度コントロール,デッドボリュームやコールドスポットの少ない不活性なサンプルライン
  • 検索ソフトウェア F-Searchと多彩なデータベース(発生ガス,パイログラム,熱分解生成物,添加剤用ライブラリ)
- 各種アクセサリ: オートショット・サンプラ(容量:48試料カップ)
マイクロジェット・クライオトラップ(揮発性成分の冷却捕集)
キャリアーガス切換え装置(空気雰囲気での熱分解)
選択的試料導入装置(温度画分のハートカット)
金属キャピラリカラム Ultra Alloy
マルチショット・パイロライザーと周辺装置

熱分析の効率化・精密化を支援する多機能パイロライザー

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