粗さパラメータの視覚化 / OLS,SFT
粗さ比較に最適なパラメータを提案します。

3次元表面性状パラメータ(以下,粗さパラメータ)は国際規格(ISO)での制定が始まり,これらの日本工業規格(JIS)化が開始されています。この粗さパラメータは,レーザー顕微鏡(LSM) と原子間力顕微鏡(AFM)に代表される面方式で規格化されています。現在, 23種類の粗さパラメータが規格化されています。LSMとAFMは,ひろく工業分野で用いられており,面方式による粗さ評価は重要になってきています。

■比較に最適な粗さパラメータの選択について

粗さの数値を見ていると,”粗さパラメータの中のどれを使って比較すれば良いか?”という迷いをよく経験します。島津レーザー顕微鏡(OLS)とナノサーチ顕微鏡(SFT)は粗さパラメータの比較機能を提供しています。この機能を利用すると,粗さパラメータはグラフにより視覚化され,比較に最適なパラメータの選択が簡単に行えます。

Fig.1 粗さのグラフによる視覚化と比較解析の概念図

Fig.1 粗さのグラフによる視覚化と比較解析の概念図

■粗さパラメータ比較機能と視覚化

粗さパラメータの種類は多く,それぞれに定義と算出式が異なります。たとえば,加工品表面の仕上がりの比較を行う場合,その表面の性質,用途と,得られた粗さの数値から比較に最適なパラメータを見出す必要があります。  粗さパラメータ比較機能の概念図をFig.1に示します。グラフによる視覚化は,平均値と数値のバラツキ(標準偏差)により行います。粗さパラメータ比較機能は,すべてのパラメータに対応しています。これにより,さまざまな試料の粗さ評価に利用できるようになっています。  比較に有効かどうかの判別は視覚化されたグラフにより行います。典型的な判別例をFig.2に示します。

Fig.2 粗さパラメータの視覚化による判別

Fig.2 粗さパラメータの
視覚化による判別

◎比較に最適
バラツキも少なく,平均値と山が重なりなく分離している。

○比較に有効
平均値は分離しているが,バラツキがあり,山の一部が重なる。

比較に向かない
山どうしが重なり合う。

 

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