MALDI-TOFMSによるリン酸化解析(2)

MALDI-TOFMSによるリン酸化解析(2)

Seamless PSDによるリン酸化ペプチドの配列解析

近年、タンパク質のリン酸化とリン酸化部位の解析に質量分析が使われています。様々なタイプのMS/MSでリン酸化部位が決められています。

ここではMALDI法による,seamless PSD(sPSD)を用いたリン酸化修飾部位の解析方法について示します。
MALDI-MS/MSによるアミノ酸配列解析でよく用いられるCID(衝突誘起解離)法では,不活性ガスとの衝突により壊れやすいリン酸基の脱離が著しく,リン酸化部位の情報を得るのが困難です。 MS/MS測定において不活性ガスを用いないsPSDにすると,ある程度リン酸基脱離が抑制されたMS/MSスペクトルが得られます。

Fig.1はマトリックスとしてDHBを用いた2リン酸化ペプチドのsPSDを示しています。フラグメントイオンを帰属した結果,Fig.1中に示すようなC末端フラグメントであるy-ionが優先的に生成していることが分かりました。
また,フラグメントイオンからのリン酸基脱離も観測されましたがその強度は強くなく(図中y7-98),リン酸化アミノ酸残基の質量から全配列を読み解くのに十分なMS/MSスペクトルが得られました。

Fig.1 MAP Kinase fragment 177-189 (2リン酸化ペプチド)のsPSD

このような効果はDHBを用いたときに特に増幅されることが知られていましたが,従来のPSDではフラグメントイオンの検出感度が低く,あまり実用的ではありませんでした。sPSDは従来のPSDに比べ,フラグメントイオン生成効率の良さが大きな特徴です。そのため,実用的な感度でこのようなリン酸化ペプチドのMS/MS測定が可能になりました。

AXIMA Performance

レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析計

MALDI-TOFMS AXIMA Performanceは高エネルギーCID搭載したTOF-TOFタイプのMALDI-TOFMSです。
MS/MS測定の更なる高感度化で信頼性の高いプロテオーム解析を提供します。多検体の自動MS(またはMS/MS)測定とMascotデータベース検索の組合せで,ターゲットのタンパク質を迅速に同定します。

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