ゲノミクス

ゲノミクス(Genomics)とはゲノムの構造(塩基配列)や機能に関する学問分野です。ゲノムとは「遺伝情報すべて」のことを指し、ゲノミクスではその塩基配列が研究対象となります。遺伝子のメカニズムを解明するために、関連の遺伝子を網羅的に同定し、その機能や相互作用の解析を行います。

ゲノム編集

ゲノム編集

2020年にノーベル化学賞を受賞したゲノム編集技術である「CRISPR/Cas9」は従来の遺伝子導入法と比較して扱いやすく、効率やコストの面でも優れています。そのため、ゲノム編集は、医療、食品さらには微生物による化学合成など様々な分野で、実用化に向けた研究が活発に進められています。
ゲノム編集には目的遺伝子に任意の変異を導入した変異個体を得ることから始まりますが、変異操作を行ったものの中から目的の変異個体を見つけ出すには非常に手間がかかります。その選別にはDNA シーケンス法、HMA(Heteroduplex Mobility Assay:ヘテロ2本鎖移動度解析)法などの方法があります。

ジェノタイピング

ジェノタイピング

生物種、さらには個体には固有の遺伝子情報を持っています。これらの遺伝子配列を解析し、特有の遺伝子配列や目印(基準)になる遺伝子配列を比較、解析することによりその違いや差を検出します。逆に、その違いや差を利用して生物種や個体を識別します。

DNAシーケンス

DNAシーケンス

1977年に開発されたサンガー法を応用した第1世代と呼ばれるDNAシーケンサーはDNAシーケンスを一般的な分析技術として普及させました。さらには20世紀後半から21世紀にかけて様々なゲノムプロジェクトが世界中で行われ、特に2003年のヒトゲノム解読完了に大きく貢献しました。その後、様々なDNA手法が開発され、第2世代、第3世代とつづき、総称として次世代シーケンサー(NGS)と呼ばれています。NGS シーケンサーは第1世代と比較して費用的にも時間的にも大きく縮小され、基礎研究から医療用途まで急速に普及が進んでいます。

ダイレクトPCR

ダイレクトPCR

Ampdirect技術は核酸精製が不要となり、簡便かつ迅速なPCRが可能になります。
一般的に血液や動植物の組織中には酵素反応を阻害する物質が多量に存在するためPCRなどを利用して解析するためには、サンプルから核酸を精製する必要があります。Ampdirect(PCRバッファー)には、サンプル中に含まれるPCR阻害物質の影響を抑制する働きがあり、血液や動植物組織、SDSなどを含む各種サンプルより核酸を精製することなくPCRを行うことが可能になります。