レーザー顕微鏡によるチョコレートの表面観察(OLS、SFT)

チョコレートのレーザー顕微鏡による表面観察 /OLS,SFT 熱損傷を低減させたLSM観察

チョコレートは熱に敏感で約25℃前後で急激に溶け出して中性脂肪分が浮き出てきます。この熱に弱く,柔らかいチョコレートは通常のSEMや触針式粗さ計では観察,測定が困難な試料です。今回,観察時の熱損傷を低減したLSM観察条件でのチョコレートの観察を紹介します。

熱損傷を低減させるレーザー入射条件

熱に弱い試料の観察では融解などの熱損傷を起こさない条件が必要です。温度上昇は照射されるレーザーのエネルギー密度,すなわち入射レーザーの強度とレーザーの走査領域に密接に関係しています。 3D測定レーザー顕微鏡OLS4100は入射レーザーの強度を自在に調整する機能を持っています。Fig.1にレーザー強度の違いによるチョコレート表面の変化を示します。レーザー強度が大きいときには表面の融解がたちまちに起こっています。一方,レーザー強度を小さくすることで融解を起こさないで観察できています。

OLS4100 入射レーザー強度とチョコレートの表面変化 視野□50μm

Fig.1 OLS4100 入射レーザー強度とチョコレートの表面変化 視野 50μm


3D測定レーザー顕微鏡

3D測定レーザー顕微鏡 OLS5000

3D測定レーザー顕微鏡

3D測定レーザー顕微鏡OLS5000の外観を示します。この装置は波長405 nmのレーザー光と白色LED光を使用することにより高分解能なレーザー観察像とカラー像が得られます。さらに三次元形状(3D)計測や粗さ測定を非接触で行うことができます。

3D測定レーザー顕微鏡 OLS5000のマルチレイヤー機能と透明膜測定フィルターは従来のLSMでは困難な透明薄膜の形状観察,膜厚計測を可能にします。