酒類の香気成分

ガスクロマトグラフヘッドスペース分析システムによるウィスキーに含まれる揮発性成分の分析例を示します。市販のウイスキーを5mLバイアルビンに封入して,100℃で60分間保温し,ヘッドスペースガス0.4mLを注入しました。
 

ウィスキーの分析

ウィスキーの分析

酒の香気にはさまざまな成分が関与していますが,大きな役割を果たしているのが低級アルコールおよび,低級エチルエステルです。とくに,エチルエステル類は果物のような甘い香りがするので吟醸酒の分析には重要な成分です。ヘッドスペース分析システムを用いれば,揮発性の高い香り成分を高感度に分析することができます。

ガスクロマトグラフヘッドスペース分析システム

試料のバイアルに封入,密封後一定温度で一定時間加温し,気相に追い出された揮発性成分を吸引し,GCに注入,分離検出する手法です。液体試料を加温して気相に追い出された揮発成分の分析や,固体試料から発生する揮発性成分の測定に使用されます。ヘッドスペース法は複雑な前処理を必要とせず,揮発性成分を高感度で分析することが可能です。