カテキン類の高速分析(LC/MS)

カテキン類は植物に数千種類あるといわれているポリフェノールの一種です。水に溶けているカテキン類の分離・検出にはHPLC(液体クロマログラフ)が有効です(HPLCによるカテキン分析例はこちら)。HPLCの検出器に質量分析計(MS)を使用すると,高い質量選択性が得られます。
緑茶飲料中カテキン類8成分をLC/MS(液体クロマトグラフ質量分析計)で分析しました。

緑茶飲料中カテキン類8成分の高速分析例を示します。

市販緑茶飲料中カテキン類のSIMクロマトグラム
 

カテキン類は,エレクトロスプレーイオン化法のネガティブモードにおいて,プロトンが脱離した脱プロトン分子[M-H]- を検出することができます。従来の分析では20~30min程度の分析時間が必要でしたが,LC/MSに適した内径2mmの高速分析用カラムShim-pack XR-ODS(粒子径2.2μm)セミミクロカラムを使用し,Prominence UFLCを用いることにより分析時間を1分析2.5minに短縮することができました。
 

液体クロマトグラフ質量分析計

高速液体クロマトグラフ(HPLC)と質量分析計(MS:マス)が一体化した分析装置です。試料をLC部のカラムと呼ばれる分離管に通すことで,化合物を分離して複数のピークとして出現させます。MS部では質量スペクトルを測定することにより,その分離されたピークがどのような分子量であるかを確認することができます。そしてピークの面積を標準物質と比較することにより定量を行うことができます。GC/MSでは不得意な成分である難揮発性あるいは熱不安定な化合物の分析が可能です。