独立行政法人農林水産省安全技術センター(FAMIC)が公開する「肥料等試験法」を参考に、肥料の各種成分分析に関するアプリケーションを紹介します。

※参考情報:独立行政法人農林水産省安全技術センターHP(肥料関係試験法等) 

 

・水溶性金属成分の分析
肥料等試験法(2020)には、液状肥料中の水溶性りん酸、水溶性カリウム、水溶性マグネシウム、水溶性マンガンなど、水溶性成分の分析装置としてICP発光分光分析法が紹介されています。 下記にマルチタイプICP 発光分光分析装置ICPE-9820を用いて、液体肥料中の水溶性成分を分析した結果を示します。

・亜硝酸およびチオシアン酸アンモニウムの同時分析
亜硝酸およびチオシアン酸アンモニウム(硫青酸化物)は,肥料中に高濃度で存在すると植物の生育の害となるため,肥料取締法に基づく普通肥料の公定規格によって,含有を許される有害成分の最大量(含有許容量)が規定されています。HPLCによる肥料中の亜硝酸及びチオシアン酸アンモニウムの同時分析例をご紹介します。

液状肥料(Ⅰ)のクロマトグラム

液状肥料(Ⅱ)のクロマトグラム
 
 

・肥料中スルファミン酸の分析
スルファミン酸は,植物の生育障害を示すことから,肥料取締法に基づく普通肥料の公定規格により,肥料中に含有を許される有害成分の最大量(含有許容量)が規定されています。肥料等試験法にはスルファミン酸の試験法としてイオンクロマトグラフ法と高速液体クロマトグラフ質量分析法が掲載されています。ここでは、より夾雑成分の影響を排除できる選択性の高い高速液体クロマトグラフ質量分析法を用いた分析結果を紹介します。