バイオマス中有機酸、フラン化合物の分析(HPLC)

バイオマス中有機酸、フラン化合物の分析(HPLC)

化石燃料の需要が増加し,枯渇も危惧されています。また,環境負荷への影響も懸念され,代替燃料の開発が注目されています。バイオマスは再生可能で地球上に広く存在し,カーボンニュートラルな資源です。間伐材や農業廃棄物等の有効利用は,環境・経済観点ともに利点があります。
これらの未利用バイオマス資源からバイオエタノールを工業的に製造するには,バイオマス中のセルロースやヘミセルロースを糖化酵素を用いて分解し,グルコースやキシロースのような単糖にした後,酵母を働かせ,エタノールにします。ここで,糖化酵素による分解を効率よく行うためにはバイオマスを酸やアルカリなどで前処理する必要があります。しかしながら,この前処理において,バイオマスを構成する成分からぎ酸,酢酸等の有機酸やフルフラール,ヒドロキシメチルフルフラール等のフラン化合物が副成し,これらが酵母による発酵を阻害します。

ここでは,エタノールの収率を左右するバイオマス中の酢酸,ぎ酸,フルフラール,5−ヒドロキシメチルフルフラールを同時に分析した例をご紹介します。

有機酸とフラン化合物の同時検出

ここでは,ぎ酸と酢酸をHPLC有機酸分析システムを用い,電気伝導度検出器で検出しました。一方,フルフラールと5−ヒドロキシメチルフルフラールは電気伝導度検出器での検出が難しいため,UV-VIS検出器を直列に接続し検出しました。標準溶液(各10mg/L)のクロマトグラムを示します。

バイオマスの分析

植物由来のバイオマスを熱水処理したろ液の分析結果を示します。電気伝導度検出器とUV-VIS検出器を併用することにより,バイオマス中に含まれる他の不純物との分離が良好な結果で得られました。

バイオマス熱水処理物のクロマトグラム

高速液体クロマトグラフ

有機酸分析システム
有機酸分析システムは,島津独自のpH緩衝化ポストカラム電気伝導度検出法により有機酸を選択的に高感度検出できます。 従来からのUV短波長法,単純電気伝導法などに比べて大きく定量信頼性が向上します。イオン排除クロマトグラフィーで有機酸を分離した後,カラム溶出液にpH緩衝化試薬を連続的に加え,pHを中性付近にし有機酸を解離状態にして電気伝導度検出します。食品など夾雑成分の多い化合物の分析に適しています。

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