薬用石けん中の有効成分の分析

新型コロナウイルス感染症などウイルスの感染拡大を抑制するために,こまめに石けんで手洗いすることが求められています。近年では手洗い用液体石けんが普及し,殺菌剤などの有効成分を配合した手洗い用の薬用石けんが多く販売されています。薬用石けんの有効成分として以前はトリクロサンが広く用いられていましたが,米国食品医薬局(FDA)などがトリクロサンを含有する薬用石けんの販売を停止したことから,現在では有効成分としてイソプロピルメチルフェノール(IPMP)が広く使用されています。
ここでは,薬用石けんに含まれる有効成分のうち,代表的な殺菌成分であるIPMPをHPLCにより分析した例をご紹介します。

イソプロピルメチルフェノール(IPMP)の分析

IPMPは殺菌作用,抗菌作用,抗酸化作用がある成分で,今や医薬部外品や化粧品など多くの製品に使用されており,薬用石けんの有効成分として使用されています。防腐剤としてパラオキシ安息香酸ブチル(ブチルパラベン)を含む場合,逆相クロマトグラフィー(逆相モード)ではIPMPとピークが重なる可能性があり,適切なカラムと条件を設定する必要があります。ここでは,香粧品試験法を参考にしたIPMP分析とその高速化を検討しました。
Shim-pack GIST C18をカラムに用いることで,逆相モードでもIPMPとブチルパラベンを分離度2以上で分離することができ,同シリーズの高速分析用カラムを用いることにより,分離を保ったまま,分析時間および移動相消費量をそれぞれ約50%,約40%に削減できました。

IPMPとパラベン4成分混合標準溶液のクロマトグラム

IPMPとパラベン4成分混合標準溶液のクロマトグラム

粒子径2µmカラムを用いた高速条件による薬用石けんのクロマトグラム

粒子径2 µmカラムを用いた高速条件
による薬用石けんのクロマトグラム

関連アプリケーション

高速液体クロマトグラフ(HPLC)

試料中の各成分の含有量を測定する機器です。分析機器の流路に液体を流しておき,試料を入れるとカラムと呼ばれる分離管の中で試料成分が分離され,検出器でその量を測定します。

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