CNFのナノスケール観察と繊維長・繊維径解析

走査型プローブ顕微鏡 SPM-9700HTTM

走査型プローブ顕微鏡
SPM-9700HT

CNFの基礎物性の評価方法が未確立であることは,現在の課題の一つです。例えば,CNFの繊維長や繊維径は,CNF複合材料の機械的強度に影響することが考えられ,その測定手法の確立が求められています。一般にCNFの観察には原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope : AFM)の一種である走査型プローブ顕微鏡(Scanning Probe Microscope : SPM)や透過型電子顕微鏡が用いられます。

  • ナノメートルオーダーの3D観察・測定
  • 絶縁体をそのままで観察可能
  • 大気中,溶液中,雰囲気中,真空中での観察が可能
  • 電磁気,粘弾性等の各種物性測定が可能

ここでは水分散系CNFをSPMで観察した結果を示します。形状像(a)では,繊維形状が明瞭に確認できます。
(観察視野:2.5µm×2.5 µm)

番号 繊維長[µm] 繊維径[nm]
1 2.3 10
2 3.3 10
3 0.8 6
2.2 6
5 2.2 6
平均 2.2 8

形状像(a)に粒子解析ソフトウェアを用いることで,個々の繊維を抽出し(b),繊維長・繊維径を容易に測定できます。この結果,繊維長が1~3µm・繊維径が6~10nmとわかります。