モーター用磁石の評価をお手伝いします! ~FE-EPMAを用いた高感度・高空間分解能マッピング~

環境対応と燃費向上を目的として自動車用磁石式モーターの開発は日々進められており,中でもネオジム磁石は強力な磁界によって省エネや製品の小型化に貢献しています。
ネオジム磁石は熱により特性が変化するため,耐熱性を高めるためにジスプロシウムを添加しますが,ジスプロシウムはレアアースの中でも高価で希少なレアメタルであるため,極力使用料を低減する磁石の開発が進められています。磁石を構成する結晶粒の微細化に伴い”高感度と高空間分解能の両立”の要求が高まっています。今回,この要求を実現したFE-EPMAをご紹介します。

微小部におけるNdの分布評価

上図はネオジム磁石における組成分布とネオジムの元素分布をイメージングした事例です。
磁石を構成する結晶粒の微細化と共に,結晶粒のまわりを薄く均一に界面(ネオジム相)が取り囲む様に作製プロセスの最適化を行うことにより,耐熱性の指標となる保持力の向上が見込め,ジスプロシウム削減による省資源ならびに製造コスト低減が期待できます。

  EPMA-8050G
二次電子分解能
(大電流照射時)
20nm(10nA・10kV)
50nm(100nA・10kV)
150nm(1µA・10kV)
最大照射電流 3µA

※ 記載の分解能は,各条件での二次電子分解能です

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ここがポイント!

  1. 10kV,1µAで150nmの分解能を実現
  2. 最大で3µAもの大電流照射が可能
  3. 凹凸試料や湾曲試料にも対応でき,様々な用途・サンプルに活用可能