Nexera UC
超臨界流体クロマトグラフィーによる分離 選択性の多様化とメソッド開発 - LCとSFCの組み合わせによる最適分離条件探索の効率化-
ユーザーベネフィット
- LCとSFCでは分離特性が異なるため、LCで分離が困難な化合物もSFCでは分離できる可能性があります。 - 1台のシステムでLCとSFCの両手法を併用できます。 - 移動相およびカラム切換バルブを活用することで、LabSolutions MDにより移動相とカラムのスクリーニングを自動化できます。
はじめに
超臨界流体クロマトグラフィー(Supercritical FluidChromatography:SFC)は、主たる移動相として超臨界二酸化炭素を用いる分離手法です。超臨界二酸化炭素は、その大きな拡散係数と低粘度により、液体クロマトグラフィー(LC)に比べて低いカラム背圧で高流量送液が可能であり、分析時間の短縮が期待できます。また、構造類似化合物の分離に優れる特長も有しています。一方、超臨界二酸化炭素はヘキサンと同程度の極性を持ち、単独では溶出力が不足する際は、移動相に有機溶媒(モディファイア)を添加して極性を調整する手法が一般的に用いられます。モディファイアとしてはメタノール、アセトニトリル、2-プロパノール、エタノール等が利用可能であり、これらを組み合わせることで分析対象化合物とカラム固定相との相互作用を制御し、多様な分離パターンを得ることができます。このように、SFCとLCは分離特性が異なるため、LCで分離が困難な化合物もSFCでの分離が期待できます。そのため、メソッド開発において両手法を併用することで、最適分離条件の探索を効率化できます。一方、いずれの手法においても、カラムおよび移動相の選択は保持挙動に大きく影響します。そのため、最適な分離を得るためには複数種類のカラムと移動相にわたって検討することが理想的ですが、これには多大な労力と時間がかかることが課題です。本稿では、1台のシステムでLCとSFCを切り換えて実施できるNexera UC/s(LC/SFC切換システム)と、分析法開発支援ソフトウェアLabSolutions MDを活用し、カラムおよび移動相スクリーニングを通して最適分離条件探索を効率化した事例をご紹介します。また、モデルサンプルとしては、低分子医薬品6種の混合試料を用いました。
2025.11.12
関連製品
一部の製品は新しいモデルにアップデートされている場合があります。