MSイメージングとOAD-TOFシステムを用いた植物アルカロイドの多面的解析

ユーザーベネフィット

- iMScope QTとOAD-TOFシステムを組み合わせることで、MSイメージングによる分布解析とOAD-MS/MSによる構造解析が可能です。 - OAD-MS/MSとをCID-MS/MSに組み合わせた構造解析により、より精度高く化合物を同定することが期待できます。

はじめに

植物アルカロイドは、窒素原子を含む自然に存在する化合物で、植物に広く分布しており、その薬理活性で知られています。多くのアルカロイドは毒性を示すため、草食動物や病原体に対する防御機構として機能します。よく知られた例としては、ケシから得られるモルヒネ（鎮痛剤として使用）や、キナの樹皮から得られるキニーネ（マラリア治療に使用）が挙げられます。その他の注目すべきアルカロイドには、カフェイン、ニコチン、アトロピンがあります。これらの化合物は医療、農業、経済において重要な役割を果たしており、アルカロイド研究は新薬の開発や植物生物学の理解に不可欠です。本研究では、iMScopeQTとOAD-TOFシステム（図1）を用いて、ジャガイモの植物アルカロイドに対し、MSイメージング（MSI）による分布解析と、Oxygen Attachment Dissociation (OAD)1-3)という独自の新しいフラグメンテーション技術と従来の衝突誘導解離（CID）を組み合わせた構造解析を行いました。

2025.09.26