リチウムイオン電池電解質の分解生成物 フルオロリン酸の測定

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ユーザーベネフィット

- リチウムイオン電池(LiB)の電解質分解生成物であるフルオロリン酸を測定することができます。 - Scan/SIM同時測定モードにより、定性分析と同時にターゲットの高感度選択的測定が可能です。 - 製造、輸送、保管時におけるLiB電解質の品質管理に有用です。

はじめに

電解質溶液は、リチウムイオン電池において重要な構成要素であり、リチウム塩(例:LiPF6)および有機炭酸エステル、充放電時におけるリチウムイオン移動の安定化のための添加剤を含んでいます。電解質の分解は、バッテリーの寿命を決める大きな要因です。化学、電気化学的過程を経た電解質の分解においては、最終的にはオリゴマーやリン酸エステルが検出されます。特に、フッ素を含有する有機リン酸塩は神経毒性などで知られており、関心の高い成分です。 バッテリー利用による電気化学的劣化のみならず、電解液は製造、保管、輸送においても化学的劣化が起こります。これは空気や湿気への曝露、過度な高温での製造や保管、長期間の保存などが原因となります。また、製造ラインに不適切な材料として例えばガラスが混入した場合、フッ化水素酸が微量のSiO2と以下のような触媒反応を引き起こします(SiO2 + 6HF → H2 [SiF6] +2H2O)。 本稿では電解液中のフルオロリン酸の定性分析により、初期段階での電解液の品質管理を行う手法を紹介します。

2025.09.09

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