動的画像解析法とズダンブラック染色を組み合わせた微生物の観測

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ユーザーベネフィット

- 動的画像解析法と染色法を組み合わせることで、観察の難しい微生物の個数変化と形態的変化を同時に捉えることができます。 - 微生物による物質生産システム開発に利用できます。

はじめに

近年、カーボンニュートラルの動きが活発化し、従来の化学合成に代わる化成品製造法として、微生物の代謝反応を利用した物質生産事業が注目を浴びています。 微生物を利用することのメリットとして、環境負荷を低減し、二酸化炭素の排出削減を伴うことが挙げられます。 実際に微生物を利用する際には、培養環境を整え、効率的で安定した物質生産を行わせる必要があります。そのためには、微生物がどのような条件で増殖してゆくのか、また、目的物質を生産する際に微生物がどのように変化するのかなどを多角的に計測し、目的物質の安定的な生産に適切な培養条件を作り出したり、想定された物質生産が起こらないといった不具合が生じた場合の適切な対処を行う必要があります。 微生物培養プロセスにおける多角的計測の内、微生物の増殖や形態変化に関する情報を得る手法としては、コールター・カウンター(Coulter Counter, CC)法や動的画像解析(Dynamic Image Analysis, DIA)法が挙げられます。粒子の大きさと数の情報を得るために、CC法では電解液中の粒子の抵抗値の変化を測定しますが、DIA法では実際の粒子の画像を撮影するため、粒子の形状を捉えることができます。しかしながら、測定対象が菌体である場合には、粒子と分散媒との相対屈折率が小さくなって、粒子が検出されにくいケースが生じます。 そこで本稿では、菌体の染色と DIA法に基づいた高倍率型ダイナミック粒子画像解析システムiSpect DIA-10S-HM(特型)を組み合わせることで、微生物増殖の時間変化を追った事例を紹介します。

2025.03.30

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