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ユーザーベネフィット

-全炭素と無機体炭素の差から、バイオ炭の有機体炭素含有量を求めることができます。 -全炭素・無機体炭素のいずれも、簡便に、1測定10分程度で迅速に測定できます。 -全炭素測定では、最大30mgまで、無機体炭素測定では、最大20mgまでの炭素量を定量できます。

はじめに

バイオ炭は、「燃焼しない水準に管理された酸素濃度の下、350℃超の温度でバイオマスを加熱して作られる固形物」と定義された炭のことで、土壌改良や農業の生産性向上などの効果とともに、土壌への炭素貯留効果が期待されています。 近年、バイオ炭による炭素貯留は、大気中の二酸化炭素を除去するCDR (Carbon Dioxide Removal)を可能にする技術の一つとして注目されており、研究が盛んに行われています。2019年には、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)改良ガイドラインにて、農地・草地土壌へのバイオ炭投入に伴う炭素貯留量の算定方法が追加され、バイオ炭による炭素貯留は世界的にCDR技術として認められました。 また、バイオ炭利用拡大のために、高い炭素貯留効果と農業の生産性向上を両立できる高機能バイオ炭の研究開発も進んでいます。 そのような研究には、バイオ炭の有機体炭素(TOC)含有量の評価が求められており、図1に示す全有機体炭素計TOC-L+固体試料燃焼装置SSM-5000AによるTOC固体試料測定システムが活用できます。 本稿では島津のTOC固体試料測定システムを使用し、バイオ炭のTOC含有量を評価した例をご紹介します。

2024.07.16