2種類のX線CT装置を用いたゴム製の疲労試験片の観察

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ユーザーベネフィット

-マイクロフォーカスX線CTシステムを用いることで、ゴムの微小な欠陥一つ一つの体積や形状を詳細に観察できます。 -位相コントラストX線CTシステムを用いることで、微小な亀裂の大まかな位置・大きさを効率的に検査できます。 -疲労試験の各サイクル数において、ゴムに発生した欠陥や亀裂の進行状況を比較できます。

はじめに

ゴム製品は、自動車のタイヤや工業製品、医療機器など広い分野で使用され、重要な役割を果たしています。しかしながら長期間使用すると、疲労や劣化により機能が損なわれるおそれがあります。そのため、ゴムの耐久性評価は重要な課題です。 使用過程での欠陥の進行を評価するには、破断前に検査を行う必要があります。切断しても検査可能ですが、復元できない、切断面しか評価できないなどのデメリットがあるため、非破壊での検査が有効です。 X線CT装置を用いることで、内部欠陥の検出や、三次元的な観察が可能です。X線の可視化方法には、一般的な手法として物質に吸収されたX線量を可視化する「吸収イメージング」や、従来とは異なる新しい手法としてX線の位相変化を可視化する「位相イメージング」があります。本稿では、可視化方法の異なる2種類の装置を用いて、ゴムの疲労試験片を観察しました。

2024.04.16