ASTM D8421-22に基づくトリプル四重極型LC/MS/MSを用いた工場排水中のPFAS分析

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ユーザーベネフィット

-ASTM D8421-22を参考に、LCMS-8060NXを用いて44種のパーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)と24種のサロゲート化合物を一斉に測定することが可能です。 -条件の最適化により、炭素鎖の短いPFASについても良好なピーク形状・分析精度で測定可能です。 -ASTM D8421-22は抽出方法が簡便であり、工場排水サンプルに含まれるPFASについて良好な回収率で定量できます。

はじめに

PFASとは有機フッ素化合物の総称で、PFASに該当する化合物は炭素鎖の長さや官能基の違いなどにより数千種類以上あるとされています。耐熱性や撥水性などの優れた化学的性質を有するため、広範な消費生活用製品や産業用途に使用されていますが、非常に安定性が高く環境中に残存しやすいことから、環境汚染物質のひとつとして世界的に規制化が進み、近年分析需要が高まっています。 米国試験材料協会(AmericanSocietyforTestingandMaterials:ASTM)の規格D8421-221)は、LC/MS/MS法による非飲料水試料中のPFAS分析法です。この方法では、水試料に対してメタノールを1対1になるように添加・混合し、LC/MS/MSで測定する方法です。測定対象化合物として短鎖から長鎖のPFASが定められており、炭素鎖長の異なる化合物の一斉分析を実現するには分析条件の工夫が必要です。 本稿では、LCMS-8060NX(図1)を用いて、ASTMD8421-22に記載されているすべての化合物の一斉分析メソッドの検討と、工場排水中のPFAS分析を行った結果をご紹介します。

2024.03.27

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