熱分解・熱脱着-GC/MSによる化学製品の劣化マーカー探索

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ユーザーベネフィット

- AnalyzerPro XDによりScanデータをデコンボリューションし、NISTや島津ライブラリでアノテーションができます。 - AnalyzerPro XDで出力されたアノテーションデータをeMSTAT Solutionに読み込ませることで、Scanデータに対し多変量解析や機械学習を実施できます。

はじめに

現代の生活では、多くの人々が化学合成ポリマー製品に接します。そのなかでも人工関節や心臓ペースメーカーなどの医療機器用ポリマー製品は、利用者の生活をサポートする大切なアイテムです。しかし、長期間の使用や環境の影響により、合成ポリマー製品は劣化してしまうことがあり、この劣化具合は、色、形などでは確認し難いため正確な測定が必要です 。 例えば、合成ポリマー製品の材質が劣化すると、合成ポリマー製品から有害な化学物質が放出される可能性があります。これらの物質は人体に悪影響を与えることがあり、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、合成ポリマー製品の劣化度合いを正確に測定し、適切なタイミングで交換することは、利用者の健康を維持するために重要です。また、劣化のメカニズムや原因を詳しく調査することで、製品の耐久性や寿命を向上させるための対策や改善策を見つけることができます。これによって、製品の市場競争力を高めることができます。 ガスクロマトグラフ質量分析計は、合成ポリマー製品などの化学製品の劣化度合いを客観的に評価する際に有用な装置です。 本報では、熱分解装置EGA/PY-3030D(フロンティア・ラボ 株式会社)を搭載したGCMS-QP2020 NXで測定し、データ解析は従来の目視によるすべてのピークの確認という煩雑な作業を不要とするAnalyzerPro XDでデコンボリューションとアノテーションを実施しました。また差異となる化合物リストを作成するために、アノテーション結果をeMSTAT Solution™に読み込み、PLS-DA解析を実施しました。安全性を確保した合成ポリマー製品を製造・開発するために役立つ、適切かつ効率的なGC/MS測定・解析ワークフローをご紹介します。

2024.03.26

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