MSピークトラッキングを用いた分析法開発の効率化 ー共溶出ピークの自動判定ー

ユーザーベネフィット

－ シングル四重極質量分析計LCMS^TM-2050の質量情報に基づくピークトラッキング及び共溶出ピークの自動判定により、分析法開発における最適分離条件の探索を効率化します。 － 複数化合物に対して任意に設定した分離度のクライテリアを満たす条件領域を、LabSolutions MDのデザインスペースにより簡単に探索できます。

はじめに

分析法開発における分離の最適化プロセスでは、移動相組成、グラジエントプログラム、カラムオーブン温度といったLC条件の各種パラメーターを変動させることで最適条件を探索します。しかしながら、得られた複数のクロマトグラムは、分離条件が異なるため、溶出時間の変動や共溶出の発生により、正確なピークトラッキングが困難な場合があります。PDA（フォトダイオードアレイ）検出器によるUVスペクトルの違いを利用したピークトラッキングを適用することもできますが、不純物や分解物といった類縁物質や、共溶出ピークに対しては、UVスペクトルを用いたピークトラッキングでは正確な同定が困難となることがあります。一方で、PDA検出器に加えて、質量分析計を活用することで、質量情報に基づく共溶出ピークの判定や、類縁物質ピークのトラッキング精度の向上が期待できます。本稿では低分子医薬品6成分の一斉分析条件の最適化において、分析法開発支援ソフトウェアであるLabSolutions MD及びシングル四重極質量分析計LCMS-2050を用いることで、正確なピークトラッキングによる最適分離条件探索の効率化を実現した事例についてご紹介します。

2024.01.16