分光光度計を用いたクロモトロピズムの評価-ソルバトクロミズムとサーモクロミズム-

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ユーザーベネフィット

-サンプルの温度を変化させながら、同時に吸光度変化を観測できます。 -電子冷熱式恒温セルホルダ(TCC-100)では冷却水を必要とせず、7~60 ℃での温度制御が可能です。 -6連装電子冷熱式セルポジショナ(CPS-100)は最大6つの試料に対して、同時に温度制御が可能です。

はじめに

外部刺激により光物性が可逆的に変化することを総称してクロモトロピズムと言いますが、光で変色する現象はフォトクロミズム、熱で変色する現象はサーモクロミズム、溶媒の極性変化で変色する現象はソルバトクロミズムと呼ばれます。これらの現象は、シリカゲルによる吸湿状態の確認やレシートへの印字など、身近なところに利用されています。これらの定量的な観測には、紫外可視分光光度計を使用しますが、外部刺激の種類によっては付属品が別途必要となります。例えば、ソルバトクロミズムでは付属品を必要としませんが、サーモクロミズムの場合には加熱するための付属品が必要となります(固体のサーモクロミズムを測定した事例は、アプリケーションニュース01-00016をご参照ください)。また、フォトクロミズムの場合には試料に対して光を照射する必要がありますが、弊社専用システムである光反応評価装置Lightwayを利用することができます。Lightwayについては、アプリケーションニュースNo.A625をご覧ください。 今回は、金属錯体溶液のソルバトクロミズムとTCC-100およびCPS-100を用いたサーモクロミズムを評価した事例をご紹介します。

2023.12.21